無いものを創り上げる、創り方を工夫するのって、完成品はシンプルかもしれないけど凄く大変なんだよね。そして......

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本家サイトの【自分の目の前にあるものがすべてではないことを知る】に通じる、モノ創りの話。試行錯誤の繰り返しと、上手くいかないかもしれないというリスクとの戦いの末に得られた結果は、得てして小さなもの。はたからそれだけを見せられれば、確かに「なんだそんな事」と言われるかもしれない。ただ、コロンブスの卵は誰もがすぐにテーブルの上に叩きつけられるわけでは無い。その点を理解しないと創り手の労苦は報われなくなる。以前も触れたかもしれないけど、創作文章を単なる文字のトレース的タイピングと同等なものだと思っている人も少なからずいるからねえ。


一方でこんな話もある。良いものと売れるものとは必ずしもイコールでは無い。技術博覧会的なイベントではステキな技術や素晴らしい機能を有する試作品がずらりと並ぶけれど、それらのうち実商品化してセールスを挙げる物はさほど多くない。需要が無ければ結局誰も買わないからね。完成品としては小さなもので、物凄い技術や経験を得て作られたもので、そのバックボーンを認識されても、結局完成品そのものの需要が無ければ、売れるという観点での評価はされない。例えば大変な労力とお金と技術を費やし、縄文時代の料理を味まで忠実に再現できたとしても、珍しがられるだけ。多くの人に受け入れられ、食卓に高頻度で並べられることはないだろう。ホンモノと同じサイズのミジンコの形をしたダイヤを創生しても、誰が買うのだろうか。

今後の技術進歩に欠かせない基礎技術、他の技術開発に不可欠な技術のための技術をはじめとした各種技術や製品の類と、世間一般に幅広く認知されて手に取られる商品とは同じにはならない。往々にして技術と需要とは方向性の点でずれが生じるので、それをうまく結び付けて双方ともハッピーにさせるのが、技術にも長けた市場開拓者的な人やマーケター、コーディネーターの類ではあるのだけど......数が不足しているのか、それとも能力が足りないのだろうな。

ああ、それと。最後の「自分で付加価値を高め、直接売るようにしないと利益が大きくならない」ってのが凄く大事。これが出来るようになった、可能性が切り開かれつつあるのが、ネット時代といえる。漫画や小説、工芸品などエンタメの類で、この事例がちらほら出てきているけどね。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2015年3月 1日 08:40に書いた記事です。

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