検証できないウソを常識のように語り、不安をくすぐる、これが詐欺師のテクニック

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詐欺師、ペテン師、山師、表現方法は微妙に異なるし、指し示す対象も同一のものではないけれど、根差すところは大体同じで、持っている性質も非常に似通ったものがある。先日解説した「うわべだけを見て「クリエイティブ」を覚えるとこんな感じになる」的な人たちにも多分に共通する部分がある。

病気や心の問題など、完全に科学で即時に解消できないもの、検証に時間がかかったり多様な方法論があるもの、物理的なものとして目に見えるものでは無い対象では得てして、このようなダマシの対象となる。事実と異なることを指摘されても、その場ですぐに確かめれられないからね。例えば「貴方がもっている肉まん、実はプラスチックスで出来たニセモノなのです。私が引き取ってあげましょう」と言われても、「そんなのウソだ、ほら」と食べることでダマシを覆せるよね。

それだけに、自分の知っている常識を覆すような、そしてすぐには否定できないような話が語られると、まず注目し、目を向けてしまう。キャッチコピーにおけるテクニックであるのと共に、方便に使われることも多々ある。本当に9割か否かは検証する必要があるけれど、まぁその類のタイトルの書籍や、キャッチコピーとして使っている対象のほとんどは、指摘の通りウソであると見て間違いない。なぜなら、本当に事実が「実は」で語られてものであるのなら、そしてそれが注目に値する、書籍にされたり多くの人に向けて喧伝されるような内容ならば、すでに浸透していて皆が知っているはずだから。「真実は●×」「隠ぺいされていた×□」「対抗勢力によって弾圧されていた■△」的な言い回しも、マジックキーワード的なもの。ほら先日も「江戸しぐさ」なるものがあったけど、まさにこんな感じでしょ?

まぁ、「検証したんか、できるんか」というツッコミをすると、大抵逆切れするか、良くわからない、実際には意味のない検証データを提示して来たり、聞き手には裏付け・確認がし難く、かつ本物っぽいデータを突き出すのがオチなんだけどね(数時間の映像を提示してみたり、海外の論文に載っているとか言い出してみたり。調べてみると映像は宣伝ばかり、海外の論文も存在してなかったり内容そのものがリジェクトされていたりとか)。


これは事実ではあるし、間違いでもある。ネットの普及で正しい情報が得られやすくなったのは事実だけど、同時に詐欺師が暗躍できる場も増えたのも事実。そして「ネットは広大だわ」の言いまわしにもある通り、全ての情報がすべての人に押し並べて浸透するわけではない。さらに人は得てして、自分の都合の良い、聞き心地の良い情報を信じてしまいたくなる。後から正しい情報を見聞きしても、それを信じるか否かはまた別の問題なのよね。

むしろネットの普及で詐欺師は活躍しやすくなったのかもしれない、というのが当方の自論。震災周りでわんさか沸いてきた、あるいは化けの皮がはがれたけど、多くはいまだに活動中だからねえ......。

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このページは、不破雷蔵が2014年12月 4日 08:09に書いた記事です。

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