「ボランティア」は無料で使い勝手の良い労働力じゃない

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レスポンスがクローズドなタイプのツイッターアカウントであることや、明確な番組の指定がないことから、もしかしたら聞き違いかな......という感もあったのだけど、色々と調べてみるとどうやら11月27日付で放送された


震災後のボランティア活動でも随分と問題になった話ではあるのだけど、元々善意と共に奉仕活動的な労働力の提供であり、無料か否かってのは別次元の話であったはずのボランティアが、いつの間にか手弁当とごっちゃになり、それがさらに指摘されている「苦労をしない労働には対価など必要無い」という良くわからない論理と結びつき、「苦労が無いように見える労働には対価は必要ないのだから、無料で労働力を提供してくれるボランティアに任せれば良い。なぁにボランティア側も、自己満足を求めているようなものだから承知してくれるさ」的な雰囲気が出来上がってしまっている。

そのような姿勢でボランティアが求められれば、誠意を持って手を挙げていた人たちも、段々腰が引けてくるのは当然の話。また、ボランティアをする側も「どのみち自分達の誠意などお構いなしに、安価の労働力をゲットできればいい程度にしか思っていないのだから......」ということで、仕事がおざなりになり、態度も横柄になり、トラブルも多発するようになる。

ボランティアの行為に甘えてない? 他人がやってるから自分もやってよいと思ってない? そんな気がする。正当な労働や成果には正当な報酬。今件の場合は図書館での業務という多分に社会性のある事案だから微妙なところでもあるのだけど、正規雇用職員が減ったことで労務負担が増えてきたのでボランティアってのは、あまりにも発想が容易過ぎる感はある。そもそもボランティアを前提に、お目当てに物事を考えたらアカンでしょ。

......ってこの話って、インターンとか一部産業での人材不足ともつながってる感じがする。使い叩けるから、安上がりだからと正当な報酬を支払わずに、人材の育成などを考慮せずにコストダウンのみを考えてしまう。そのサポートにボランティアを云々ってことでは、ボランティアを悪用しているようにしか見えないのだけどな。

ただこういう話もあるからなあ......。


段々と慣れ、というか浸透して慣習的なものになっていったんだろうな。で、それが少しずつ積み増しされて、あちこちにひずみを生み出している、と。

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このページは、不破雷蔵が2014年11月28日 06:19に書いた記事です。

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