お餅をいぢめて豊作を祈る面白祭り「いどり祭り」とは

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【餅けなし、豊作祈る 能登・鵜川「いどり祭り」】

「薄いし、粉で格好悪いのを隠しとる」「表面が月のクレーターみたい」餅けなし、豊作祈る 能登・鵜川「いどり祭り」 http://t.co/sUcc1ES7me http://t.co/WkC3pBnDgj pic.twitter.com/PZQ4L0x9q4

— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2014, 11月 8
6つの町内が交代で当番となり、男子のみで造った大鏡餅2枚(直径1.2m)、丸形小餅50~60個、とうし餅16枚を神前に供し、明年度大鏡餅を造るべき当番の者を陪賓としてもてなす。この時、陪賓たちは鏡餅やお膳の餅などについてさまざまな難くせをつけ(いどる)争い、これに対して当番はいろいろ弁解するが、容易に治まらないので神主が仲裁に入って話が治まる珍しい神事。

どでかいお餅などをつくって披露し、それを皆で難癖をつけて、弁明をした上で神主が仲裁に入るという儀式。はたから見ても非常に興味深く、なんだか「日本むかし話」のワンシーンを見ているようですらある。能都町の解説によると大本の由来となる儀式は1000年以上前、直接の儀式は500年ほど前に始まったらしい。

何故二組に分かれ、作られたお餅をなじったり言い訳するというやりとりが行事になったのか、その由来は結局分からずじまい。恐らくはごく普通のお餅奉納儀式が行われていて、その中で仲たがいをする二つの勢力が餅の出来栄えをきっかけに神様の御膳でもケンカをはじめてしまい、そこに神様が登場してケンカを仲裁し、仲直り、その年は豊作になった......あたりの流れではないかなあ、と。

それにしてもお餅のけなし方とフォローの仕方も時代を反映しているものとなっているようで、上記の最新版の祭りの内容を読むと、突っ込む側は「表面が月のクレーターみたい」、反論する側は「薄くて早く焼ける省エネ餅や」と、昔ならば有りえない表現が次々と。特定の対象物に片方があら捜しをして、もう片方がフォローを入れるというやりとりは、巧みなコミュニケーションの訓練としても使えそうな気がする。

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このページは、不破雷蔵が2014年11月 9日 06:50に書いた記事です。

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