朝日新聞の品質問題とストレステスト

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【製品安全ガイド(経産省)】にもある通りリコールは一般的に、安全の観点で利用上問題が生じる場合に、監督官庁がツッコミを入れて自己回収をするように促し、それに従って商品を回収することを意味する。自動車の場合は別途関連法令で定められているので、より厳密になるわけだけど、大抵は消費者庁などの監督省庁の指摘を受けて、あるいは自己調査などで問題が発覚し、自主回収となる。

で、今回相次ぎ大規模な、しかも個別要素では無く、組織的・システム的な面での不具合の結果という認識が出来る問題が発覚した朝日新聞は、その商品についてリコールをする必要があるのではないか、という話。また、原発関連であれだけ主張をしてきたのだから、同様のストレステストが必要不可欠ではないかとの意見もある。

リコールやストレステストは現実問題としては不可能。内容に問題があった雑誌の回収は過去にもいくつか事例はあるけど、月日をさかのぼって、しかも新聞ってのは無理がある。ストレステストに至っては仕組みすらない。ただ、これらのツッコミをしたくなるという心境は理解できなくもない。

一方で「朝日新聞の記事は当面の間、全て保留とし検証必要」という意見は、リコールやストレステストと比べれば現実味は高い。一部には朝日新聞の廃刊を求める声もあるけどそれは暴論でしかなく、新聞が廃刊になっても不動産業があるのでグループ全体としては揺らぎもしない云々という意見もある。ならばしばらくは規模を縮小してでも再検証にリソースを割く、それ位の気概が無いと、再生は難しいんじゃないかな。

例えばすき家の就業環境問題は根本的にワンオペという「システム」がネックであり、そのシステムをひっくり返して改善しなければ、状況は好転しない。牛丼御三家で一番強盗事件が多いとか接客態度・サービスが落ちてるとか、環境が過酷で人材が集まらないとか。 個々のバイトや社員の特性による部分もゼロじゃないけど、それは些細なものでしかなく「システム」が問題。

今件朝日新聞の一連の問題も、「システム」「組織」レベルの問題であり、直轄の関係記者にペナを与えても「システム」は残っているので、同じことは繰り返されるのは必至。むしろ今もなおその「システム」は生きている以上、問題事案は量産されており、まだ暴露されていないだけ、と考えた方が納得はできる。今回はたまたま検証にリソースが割かれ、連続して露呈しただけの話。だからこそ組織レベルでの改革、刷新をしないと、問題は解決されない。

ただ、「システム」レベルでの問題解消を、その「システム」自身が行えるかというと......難しい。自動車の欠陥が見つかり、その原因が生産ラインにあるのなら、その生産ラインを改善したり差し換えれば済むけど、それは生産ラインそのものとそれを判断する経営陣が別だから。今件では生産ライン=経営陣なので、自分の首を絞めるような判断は難しい。また、それを期待できるような気質の持ち主で構成されているのなら、そもそも今件のような事態を生じる「システム」にはならなかった、と。要は袋小路。

第一次大戦後から太平洋戦争前の陸軍内部の様相ですらある。よりによって新聞各社が一番毛嫌いしているであろう対象と、体質的に同じものとなってしまっているというのは、何とも皮肉な話なのだが。

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このページは、不破雷蔵が2014年9月15日 08:11に書いた記事です。

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