そういやそうか。なぜ朝日新聞は自社「吉田調書」記事に反する他社記事に記事で反論せず抗議書を送りつけたのだろうか

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朝日新聞社は13日、東京電力福島第1原発の吉田昌郎元所長の聴取結果書(吉田調書)に関する記事を取り消したことを受け、同社が抗議書を送っていた産経新聞社とジャーナリストの門田隆将氏に対し、抗議を撤回し、おわびした。同日付の朝日朝刊1面によると、週刊ポスト(小学館)、写真週刊誌「FLASH」(光文社)にもおわびの意思を伝えたという。

一連の「吉田調書」関連の騒動では、朝日新聞が5月19日にスクープとして第一報を呈したあと、8月に入って他紙が続々と同等の調書を入手した上で朝日新聞の記事に関する反論を乗せたところ、それに対し朝日新聞側は相次ぎ抗議文を送付するだけでなく、法的措置をも印象付けされる対応を取った話は良く知られている(【朝日新聞、誤報記事に法的措置匂わせる「抗議書」 フリージャーナリストらに何度も送りつけていた】)。で、その抗議の土台が無くなったので、このような形になったわけだけど......。

良く考えてみるとおかしな話ではある。

先日発表された朝日新聞側の釈明文面を読む限りでは、9月11日の謝罪会見に至るまで、自社の手持ちにある「吉田調書」とそれを基にした各記事については絶対の自信を持って展開していたことになっている。で、あるならばなぜ自社の記事で反論し、手持ちの資料を持ち出して解説し、「その抗議内容こそ問題がある」として、自分達の正当性を説明して反論を行うというスタイルを取らなかったのか。


多くの人が首を傾げるとともに、同じようなことを想ったんだろうな。と同時に抗議乱発に際して違和感や焦りの雰囲気に気が付いた人も少なくないかもしれない。反応がセンシティブ過ぎだ、とね。あるいはその抗議を乱発していた時点で、内部的には自らの記事の危うさというのもに気が付いていたのかも......と思ったけれど、朝日新聞側の釈明文面の限りでは「どのみち他社は吉田調書の全文を持っているはずがない」とタカをくくっていたという話なので、そうではないのか。

剣術周りの話ではよく聞くんだけど


この話。剣を持つ者はその剣の物理的な重量以上の重み、覚悟を持たなきゃならない(月刊アワーズ連載の某漫画でもちょうどそんな話をしてたな)。「ペンは剣よりも強い」。つまりペンを持つ者は剣を持つ者以上の覚悟、矜持(自信と誇り)を持たなきゃならない。その重みを忘れてしまった結果が、現在進行中の話なのかもしれない。

ちなみに朝日新聞は日本一ではなくて、発行部数では日本で二番目、読売がトップね(汗)

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このページは、不破雷蔵が2014年9月14日 07:48に書いた記事です。

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