公開動画を視聴して書いた記事を「話を聞いた」インタビューと掲載して良いのか否か

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朝日新聞に新たな不祥事 任天堂・岩田聡社長インタビューを捏造していた! | スクープ速報 - 週刊文春WEB http://t.co/JAhTUmYfoC @shukan_bunshunさんから

— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2014, 9月 13
だが今回、週刊文春に対し、朝日新聞関係者が内幕を明かした。「その当時、岩田社長は朝日の記者のインタビューを受けていません。取材ができないことに記者が焦ったのか、任天堂公式HP上で岩田社長が語ったコメントなどを勝手につなぎあわせ、インタビューに仕立て上げてしまったのです」


任天堂株式会社広報室は「(当時)岩田聡は日本のマスコミの記者様の取材はお受けしておりません」と回答した。


なぜこのタイミングで2年前の記事の話が......とは思うのだけど、元々ネタとして持っていたものを熟成させた結果なのか、記事の通り「指摘されなきゃ分からない類のもので、今回暴露話があり精査してみたらその通りだったのか」まではこの速報だけでは判断が難しい。

ただ今件記事の限りでは実名として任天堂と朝日新聞の広報それぞれの対応が挙げられて結論付けられており、この部分がガセだとすれば、個々の企業から怒られる(で済めばいいけど)ことを考えると、対応の結果の話についてはある程度以上の信ぴょう性があると見て良い。見方を変えればトリガーとなる「朝日新聞関係者が内幕を明かした」の部分は「?」レベルの信ぴょう性。

で。問題とされている記事そのものに書かれている内容は、岩田社長の動画を基にしたものであり、語っている内容そのものに齟齬は多分にないはずだから(先の「吉田調書」のような身勝手な解釈違いと評するレベルのものがなければ)、その点ではあまり問題視はされない。問題なのはインタビューをしていないのにインタビュー記事として掲載してしまったこと。ウェブ上に記事が見つからないので「読者に対して2年以上もの間、訂正もせずに放置していた事実は重い」までの確認ができないのは残念だけど......。


内容部分の齟齬はさほど無いので、怒ってもお叱りを受ける(文面抗議)で済む程度のものだとは思うけどね。ただ今件のような話が許容されてしまうと、次から次へと同じことが行われるので、それなりの措置は取られなきゃいけない(内容そのものは正しくても、時系列の上で切り貼りして構わないということになるから)。

また、インタビュー取材として収録されたものでない動画を使い、インタビュー記事として掲載する手法を是とするなら、色々な意味で新聞社やテレビ局のスタイルが土台から崩れることになる。例えばテレビ番組などで放送された内容を基に記事を書いて、それを一次ソースを挙げずに「独自インタビュー」としても、問題なしということになるからだ。

各テレビ局が早朝番組でコーナー化している、早売りの朝刊を用いたダイジェスト解説コーナー。あの部分で一次ソースとなる新聞を紹介せずに、全部自社の速報として伝えるようなものだからね。これって。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2014年9月14日 07:35に書いた記事です。

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