【更新】オランダですら、洋上風力ですら、コスト高で立ち往生

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[オランダの洋上風力発電、コスト高で陰り]


(前略)グリーンな将来は先のことのように見える。財政赤字削減を迫られたオランダ政府は、洋上風力発電は費用がかかりすぎるとし、キロワット時当たり0.18ユーロ(19円)の補助金を続けられないとしている。昨年1年間の補助金は約45億ユーロ(4650億円)に上った。同政府は、この財政負担を一般家庭と産業界の需要家に転嫁し、一方で魅力的な民間部門の投資を呼び込もうとしている。消費者と企業への負担転嫁は13年1月に実施され、同時に、民間投資家は再生可能エネルギー・プロジェクトへの参加申請ができるようになる。

ただ、民間への負担転嫁で得られるのは推定15億ユーロで、これまでの補助金支出の3分の1にすぎない。また、投資に関心のある団体なども風力発電よりも費用のかからない技術を選ぶと見られている。

オランダの風力発電プロジェクトの将来は暗い。

洋上設備は陸上のものよりも発電効率がいいものの、資材や海底掘削の費用は高く、しかも保守は陸上設備より面倒だ。陸上風力発電にも障害がある。陸上でのプロジェクトのほぼ半分が住民とのトラブルを抱えている。背の高い設備が景観を壊すという主張の他、安全性や騒音への懸念も指摘されている。


自然エネルギー発電のうち太陽光発電については【「ドイツやスペインは電力を定額で買い取って太陽光発電に大成功」という話の真実】【国際専門機関からも「意味無いからヤメレ」と突っ込まれたドイツの太陽光発電政策】などで触れているけど、それの風力発電版の話。

実は個人的にも少々ショック。記事タイトルにもある通り、風力の活用を昔からやってきた......ということは風車を回す環境としては適切な場にあるオランダで、しかも効率が良いとされる洋上ですらお話にならないとは。

他の発電手法同様に、新技術の積み重ねと既存技術の改善で将来はもう少しコストパフォーマンスに優れたもの、安全性の高いもの、メンテナンスのしやすいものになっていくのだろうけど。現状ではメインに据えるのはリスクが大きすぎるってのもまた、他の自然エネルギーと同じっぽいね。

リトルリーグの名投手をいきなりプロ野球でフルイニング出場させたらどうなるか。そんな感じかな。

ん? コストの分は国が出せばいいって? いやだから、それをやってドイツもスペインも、そしてオランダも破綻したんでしょうに。「国」っていったって結局負担するのは国民一人一人だし。

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このページは、不破雷蔵が2011年11月19日 08:10に書いた記事です。

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