ラノベ・なろう系タイトルの実情

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先日某ラノベだかなろう系の小説のスタイリッシュなタイトルが、編集側の思惑を押し切る形で今なろう系では定番となっている「概要を長い一行で全部説明してしまうタイトル」に差し替えられた話。数年は目に留まるだろうけど、十年後にはどうなっているのかなという感はある。「銀河英雄伝説」も作り手の方が、今作品を書き連ねていたらどんなタイトルになっていただろうという話もあったりする。

ネットとスマホの普及で情報が満ち溢れ、同時に一度に可視化できる情報量が限定されるので、ぱっと見された時点で概要が分かるようにならなきゃいけない、しかもその時に注目されるような奇抜なものでなければという状況なのは理解できる。ただ、現状がこのまま続くとは限らない...というかまずそんなことは無いだろうし、状況が変わった時に題名を変えるというのもおかしな話に違いない。個人的には主題はそのままスタイリッシュな、シンプルなものにしておき、帯とかにつけるキャッチコピー(副題ですらない)にその辺りの長い説明風のものをつければいいと思うのだけど。

加え。長いタイトルって確かにそれを視認して読んで内容を把握するのにはプラスとなるかもしれないけど、冊子化されたりした時に、かえって分かりにくくなる。検索の上でもノイズが混じりやすくなって正しいものを選んでもらいにくくなる。

...とか思っていたらこんな指摘が。要はタイトルが長い説明調のものにすると、作品一覧でタイトルがずらりと並んだ時、長ければ長いほど表示面積が大きくなるので、目立ちやすくクリックされやすいという指摘。この発想は無かった。

というか、普通の検索エンジンとかならこの類の話って、タイトル表示部分は何文字ぐらいまでであとは「......」で足切りされてしまうので無意味になるのだけど、その処理がされていないがための問題らしい。下手をするとタイトルだけで400文字ぐらいを使い、タイトル一覧にした時の結果において、半分ぐらいが占められるという間抜けな事態が生じてしまう。

プログラム上の処理的にもそれほど難しい話ではないので、ちゃんとしたところならばじきに対応はされることだろう。となると今度は、タイトルの前の方にいかにも目立つキーワードを並べるという、さらに分からないムーブメントが生じることになる。衝撃1000億年!神の力で修行の努力を重ねた僕は悟りを開いてあらゆるものを創造する神になった件について。1億年など屁でもないとか。

なんかSEOみたいな話になってきたな。

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このページは、不破雷蔵が2020年10月19日 07:38に書いた記事です。

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