「新型コロナウイルスの流行期間に米富裕層の資産が62兆円も増えたよ」という話の実情

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(CNN) 過去のおよそ3カ月間で、米国の富裕層の資産が5650億ドル(約62兆円)増えていたことが分かった。同国の進歩的なシンクタンク、政策研究所が3月18日以降のデータから報告書をまとめ、今月4日に発表した。

5650億ドル(62兆円)という数字が独り歩きしているこのお話。この数字にかこつけてサベツガー分断ガーという話に誘導している感が強いのだけど、まぁ、インパクトのある数字ってのはパワーが強いよね、と。

一次ソースは Institute for Policy Studiesの「Billionaire Pandemic Wealth Gains Surge Past Half-Trillion as 42.6 million File for Unemployment」。


NYダウは過去6か月においては3/23につけた18213.65ドルが底値で、それ以降は新型コロナウイルスの流行で生じた経済の後退からの復調を期待する形で上昇を続けています。3/18時点では終値は19898.92ドル。比較対象となる6/4では26281.82ドル。32.21%の上昇です。

他方今回挙げられた5650億ドルの増加は元資料によれば+19.15%(逆算すると3/18時点ではおよそ2兆9034億ドル)。

今件の話は単に株価の上昇による資産の増加で、しかもすべてが株式だった場合に比べてすら劣っているのが実情です。


で、ふたを開けてみればネタ的なものでしかなかったというもの。元々「進歩的なシンクタンク、政策研究所」とあるけど中身を確認すると日頃からサベツガーを繰り返しているところだったし、報告書のデータそのものに間違いはないけれど、使った数字のあれこれがあまりにも恣意的なもので、それと新型コロナウイルスを結び付けてインパクトを強めているまでの話。それを似た者同士のCNNが恣意的な形で記事にし、それがそのまま日本語訳化されただけ。

指定した期間内では株価は32%も上っているけど、今回挙げられた資産は19%しか上がっていないじゃんというオチ。さらに例えば逆算すると、例えば昨年末から今年の3月18日までの間に該当する人達の資産はそれ以上に減っているはずだよね、という感じではある。

ここまで伝えてこそ、本当の報道だとは思うのだけど。世間一般からのウケはよくないのが悲しいところ。

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このページは、不破雷蔵が2020年6月 6日 07:46に書いた記事です。

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