「読者目線」と「自分が想定した読者の知的水準にまで自分も下げて」は別物

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報道側は「自分は文系で理系のことは分からない。だから内容は難しくしない」という形で、部品関係の話を優しく伝えるよとアピールしている。これをディレクターという番組の構成の上で事実上トップにある存在が公言してしまうという、頭が頭痛で神経痛が慢性鼻炎なお話。

この表現にはいくつか問題点があって。指摘されているように「詳しくない人にも分かりやすいように伝える」のには、同じ水準にある人が作るのではなく、分かっている人が分かりない人にも理解しやすいようにかみ砕いて工夫して作る必要がある。学校の先生の理解レベルが生徒と同じだったら、生徒たちは頭を抱えてしまうってのと同じ。

他の問題点としては、番組の視聴者の水準を卑下しているような表現であること。これについては説明するまでもない。

以前にも何度か似たような話をした記憶があるのだけど。報道側はよく「読者視点」という言い回しをする。発信側は受け取る側と同じ視点でないといけない、受け取り側の視点で発信する情報を作り上げていく必要がある。それは理解できる。分かりやすい例を挙げると、日本人向けの報道を英語で配信したらダメだよね、という感じ。

でもだからといって、報道側が読者視点のレベルで取材をしてはいけない。SNSの普及で取材される側の声も多々聞こえるようになるに連れ、報道側が何も下調べをせずに体当たり的な取材をして「何しろ読者視点ですから」とドヤ顔されたという話も少なからず見聞きするようになったことから、そういう常識が報道内部では多分にあるのだろうなあ、という感は否めない。読者視点宣言をすれば、特に勉強をしなくても済むからねえ。

今件に限って言えば「ドキュメンタリーだからいいんじゃね?」というツッコミも来そうだけど、ならばなおさら「ディレクターは文系で、学生時代の物理化学は赤点。なので内容は難しくありません」と自慢する必要は無いよね。

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このページは、不破雷蔵が2020年1月11日 08:02に書いた記事です。

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