「若い頃は自分もたくさん残業してきた。今の若いものは軟弱」の実情

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今の日本の社会問題を形成する要素の一つとして例示できるこのお話。要は「今の若いものは」問題。自分の経験をそのまま今の若年層に当てはめて、同じような事が出来ないからダメだ、同じような事をやれと強要するという考え方。

いくつかの原因があって(報道などにおける偏向問題は別として)、一つが生存者バイアス。そういう辛い環境に耐えられた人だけが今生き残っているわけで、そういう人達が声高に今の高齢層の代表として意見をしていたら、こういう話が出てきてもおかしくはない。

そしてもう一つは指摘されている通り、内容の質が違うからそのまま比較はできないというもの。あくまでも語られているのは残業の時間の長さだけであり、仕事の重度については観点に上がっていない。世の中色々と機械化、IT化され、合理化が進み、圧縮される形となったので、時間という基準だけで比較しても何の意味もない。100年前の100円と今の100円をそのまま比較するとか、ハードディスクの容量について20年前と今の基準をそのまま比較するようなもの。

だから昔の70~100時間ぐらいの残業ってのは、下手をすると今の7~10時間ぐらいに該当するぐらいの圧縮がされているので、単純に時間が長いからスゴイってわけでは無いのだよね。......というか、ちゃんと現場の実情に耳を傾けていれば、こんな単純な時間だけでの比較など何の意味もないってのは、すぐに理解はできるはずなのだけどな。

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このページは、不破雷蔵が2019年11月27日 07:38に書いた記事です。

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