「ムサシ」「鉛筆とペン」「投票棄権者が投票していれば」

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どこぞの国のトップを選ぶ選挙のように、100%が現状のトップを支持する選挙結果が出たとかいう話ならともかく、国連の選挙監査弾も送られてこないような状況では、日本の選挙は正当な民主主義の体現化手法として機能していることに違いは無い。時折投票やら選挙運動の違法行為で逮捕者が出るのもまた、ルールが守られている証。

にもかかわらず毎回選挙が終わるたびに「民主主義は死んだ」と嘆いたり、「ムサシが悪用された」「鉛筆で書いたから投票用紙が書き換えられた」さらには「投票棄権者が投票していれば結果は変わったはずだ」という話が出てる。IF話は架空戦記で十分だ。

「民主主義は死んだ」というのは要するに自分の都合のよい結果が出なかったということの裏返しでしかない。自分は民主主義の体現者だから、その意に反する事実は事実ではない、だから死んでいるという感じ。ヒドイ。

「ムサシが悪用された」というのは都市伝説的なものでカウンター機器を悪用して投票数を調整したというもの。これができるのならなぜ2009年の政権交代後に暴露されなかったのかね、という気がする。「鉛筆で書いたから投票用紙が書き換えられた」云々は先のユポ紙にもつながる話だけど、そんな手間をかけて票を誤魔化すほどのメリットがあるとは思えない。小さな村の村長選挙での話ならともかくとして。

そして「投票棄権者が投票していれば結果は変わったはずだ」。投票率が低い状況では特に投票棄権者は浮動票保有者である事が多いから、仮に棄権した人が全員投票していれば、少しの変化は生じる...けど、誤差の範囲内だと思うし、そうでないことを立証する手立てはない。アンケート調査の類で、調査に応じなかった人の実情を知るすべはないのと同じ。色々な思惑を推測することは可能だけど、それらの裏付けはどこにもないのだな。

不思議なことにこの3つのフレーズは選挙の後には必ずと言ってよいほど湧いてくる。本人がネタで語っているのか本気なのかまでは分からないけど、選挙に対する冒とくですらあるような気がする。

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このページは、不破雷蔵が2019年7月22日 07:58に書いた記事です。

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