健康寿命が延びても延びた時期が現役と同じように過ごせるわけじゃない

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定年の延長とか年金絡みの話で、健康寿命が延びているから就業も延びる云々からさらに、高齢者の就業の労働災害が増えているとのニュースと合わせ、乱雑に対応してるのではとの指摘もあり、なんか色々とごっちゃになっているな、健康寿命の意味が取り違えられているかもしれないということで、覚え書きも兼ねて。

WHOでは「病気やけがなどで完全な健康状態に満たない年数を考慮した、『完全な健康状態』で生活することが期待できる平均年数」とを健康余命と定義している。そしてゼロ歳時の健康余命が健康寿命となる。日本では「日常的に医療や介護に依存せずに、自分自身で生命を維持でき、自立生活が可能な状態の生存期間」(色々な方法が提起され、破断基準も異なっているので、実は結構曖昧)。

で、「健康な状態にある」としても「加齢で体力や持続力、気力、精神力が衰えている」場合もあるということ。健康寿命が延びたから、そのまま現役世代と同じ能力を持った状態の年数が延びているわけでは無いのだね。

例えばこれまで50歳が健康寿命で、最新のデータでは60歳になったよってことになっても、51~60歳の人は健康寿命の上ではまだ健康ではあるけど(健康余命のことを考えるとちょっと違うんだけどね)、その人の働きぶりに関して50歳までの人と同じように考えてはいけないってこと。あくまでも健康であるってだけで、加齢による心身の衰えは否定できないよ、という。無論個人差があるけれど。


この辺りが健康寿命との言葉が独り歩きして曖昧になっていて、健康寿命以下なら現役世代と同じ心身を持ち、同じように働けるという考えを持つ人が結構いるので、要注意。

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このページは、不破雷蔵が2019年5月19日 07:33に書いた記事です。

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