中の人がいるビジネスは中の人がいるからこそ存続する

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ニフティが運営する格安SIMサービス「NifMo」の公式Twitterアカウントが、5月7日付で運用を停止した。理由は「ニフ姉さん」の愛称で親しまれた運営担当者の退職だという。2015年11月に開設後、障害発生時の復旧状況の他、景色や料理の写真などを投稿。約5万人のフォロワーを持つ人気アカウントの突然の幕引きに、ファンからは戸惑いの声が上がっている。

ツイッターの公式アカウントに通常業務をさせつつも、面白い反応をさせたり、興味をそそる内容を語らせたり、色々と演じさせたりして、そのアカウントを通じて企業のイメージや認知度を高めていく。要はブランディング戦略の一手法として公式アカウントを使ったまでの話で、イメージキャラクタとか企業タレントと何ら変わりは無いのだけど。

これって結局、マニュアル化した上でのやりとりってのは非常に難しいし、AIに投げるにしてもまともに運用させるほどのデータを作るのはコストが馬鹿にならないし、相手とのやりとりで学習させていくとろくなものじゃなくなってしまうのがオチだから現状では無理。今のところは相応の技術や経験を持つ人に「中の人」になってもらうのが一番楽。

一方でこの類の話って、コストがかからないお手軽でビックな効果が望めるものとの誤認をしている会社が少なくないのもまた事実。公式アカウントの対応で集客できた、企業のイメージが上がったとして、それと同じような効果を得るためには、どれほどの予算を投入してタレントを雇って働いてもらわねばならないのかって考えた事はあるかな? 企業内の就業者に兼業がてらにやらせて上手く行けば大当たりぐらいに考えていると、十分すぎる以上の成果を上げているのにろくすっぽ対価を得ることができない「中の人」自身のモチベが落ちるのは当然の話。

あるいはそういう話で無くとも、何らかの理由で身を引かねばならなくなることもあるだろう。そのような時に何か代替するような手法を会社側は考えているのだろうか。いわばリスクヘッジ的なお話。この辺り、随分と雑な思惑しか持っていない会社が多い気がするのだよね。

今流行りのVtuberなどを使ったお話も同じこと。挙動まですべてプログラム化、AI化によって投げることが出来るのならともかく、「中の人」がいるのなら、それは結局人がやっていることと同じ。普通の人へと同じような対応をしなきゃならない。例えば被り物をしている人に、人間に見えないから乱雑な行為をしてもいいってわけじゃないよね。つまりはそういうことなのだけどね。

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このページは、不破雷蔵が2019年5月 8日 07:06に書いた記事です。

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