高齢者の免許更新制度はこのままでいいのかな

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東京・池袋で乗用車が暴走し、母子2人が死亡、車の運転手(87)を含む男女8人が重軽傷を負った事故で、運転手が平成29年の免許更新時に受けた認知機能検査で、記憶力や判断力に問題はないと判定されていたとみられることが20日、捜査関係者への取材で分かった。ドライブレコーダーの解析などから、ブレーキを踏まずに加速を続け、歩行者らに突っ込んだとみられることも判明。警視庁は加齢などに伴う運動能力の低下が影響し、運転操作を誤った可能性があるとみて調べる。

先の道交法改正で高齢者の免許更新の際には認知機能関連の検査を受けなければならなくなったけど、実はこの検査って特定の事案が生じない限り、そして当人が自主的に精査を求めない限り、免許更新の際にしか行われない。そして高齢者でも免許の更新は3年おきだったりする。

高齢者となれば3年どころか半年ぐらいで急速に身体能力が衰えたり、認知機能が低下して認知症の気配が多分に生じてしまう可能性は否定できない。問題なのは身体ならばまだしも、認知機能の衰えが生じた場合、当人がそれを認識していないかもしれないということ。つまり判断力そのものが衰えているので、自分の判断能力が衰えているか否かを正しく判断できていない可能性があるわけだ。お腹が減ったらご飯を食べなきゃならないけど、空腹感の認識が曖昧となると、身体的には食事を摂らねばならない状態なのに、ご飯を食べようとしないという状況が生じてしまう、という感じ。逆に、食べたばかりなのにまた食事をしたがるケースの方が多いかな。

で、今件の話では2年前の免許更新の際には問題無しと判断されていたけど、事故当時の語りや行動、その前に色々と生じていた話などを伝え聞く限りでは、運転継続は危うい状態だったのかもしれないなあ、その時に臨時で検査を受けていたらパスできたのだろうかという疑問がある。

現行法では免許の更新は原則3年、優良運転者は5年おき(更新時に71歳なら4年、72歳以上は3年)。けれど3年おきとすると、3年の間に随分と身体の衰えや認知機能の低下が生じている可能性は否定できない。そして認知機能そのものが低下していると、身体や認知機能の低下自身を本人が認識できない可能性がある。

いっそのこと70歳以上は免許更新期間をゴールド免許でも1年として、健康診断感覚で各種検査を受けてもらった方が、本人のためにもなるのではないかな、という感はある。就業者でも年一で健康診断は受けるのだし、それと同じ感覚で受けてもらえばいいまでのお話だと思うのだけどね。

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このページは、不破雷蔵が2019年4月21日 07:12に書いた記事です。

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