「貯金ゼロ」で大騒ぎさせる報道

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SMBCコンシューマーファイナンスは6日、30~40代の金銭感覚に関する調査結果を発表した。「現在の貯蓄額がゼロ」と答えた人が前年比6ポイント増の23.1%になり、平均貯蓄額も同52万円減の195万円に低下。同社は「景気回復が働き盛りの賃金上昇につながっていない」と分析している。

金利が限りなくゼロに近づいているのと、インターネットバンキングやらオンラインでの通販利用やらカード利用が一般化して、金融口座の利用概念とか貯蓄そのものの意味合いが大きく変化しているので、単純に「貯蓄」と尋ねても時系列的な回答での意味合いはあまり有意義なものでは無いってのは何度となく解説している。今回はそれを逆なでするかのような報道。

SMBCの調査結果で貯金がゼロの人が23%いましたー、前年から増えましたーというだけで巷では大騒ぎ。まずタイトルの部分で「貯金やのうて貯蓄やろが」というツッコミをしたくなる。


一次資料には質問票の開示が無かったのでグラフタイトルが設問に近いのだろうなと推測すると、貯蓄云々って概念の明確な定義が無いので、回答者によってばらばらな区切りで答えてしまっている可能性が高い。この点、知るぽるとの質問はまだよくできているのだけどね。第一これ、まだ2回しか調査してないから、傾向がどうとかって話はアレじゃないのか。


しかも自由に使えるお金の額は増えている。貯蓄が減って自由消費額が増えるってのもおかしな話で。消費性向が変化したまでなら、貯蓄が減った云々でギャーギャー騒ぐ必要は無い。で、その辺は元記事には触れていないという。

案の定「貯金ゼロ」というワードが琴線モードでえらい話になってて、調査結果全体を見ればこの話は一項目に過ぎないものだし、データも経年で2年分しかないので深い意味はない。けれどハッシュタグで確認すると、官公庁の貯蓄率関連の調査結果を持ち出してまで景気回復ガーと唸っているお騒ぎ組が山ほど見つかる。けれど貯蓄そのものの概念が変わっているため数字の意味はエンゲル係数同様にさほど意味がない。

記事を挙げた毎日新聞の炎上商法的な煽り記事の主旨としては大成功なのだろうけど、これって報道としてはどうなのかな、という疑問を呈するしかないのだな。この類の、物事の本質を見極めずに、騒げば、煽ればオッケー的な報道が増える...というか気が付く機会が増えて来るにつけ、色々ともやもやする。

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このページは、不破雷蔵が2019年3月 8日 06:58に書いた記事です。

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