「積み」こそが楽しみの一つ

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サブスクリプションは結局図書館へのアクセス権を得るようなもので、中では自由に何度でも対象物を手に取ることができるのだけど、結局は自分のものにはならない(ダウンロードして確保できるタイプのもあるけど)。好みのものがアクセス対象になりにくいってのもあるけど、どれでも手に入るという状況は、どれもが手に入らないのと同じって話と似ている感じではある。ウェブベースでの無料漫画読み放題でいくらでもアクセスできても、気に入った本は直接買っちゃうよね、という感じ。支配欲というとオーバーに過ぎるけど。

購入して積むことで、自分のものにした、いつでもすぐに手に届くという支配欲の充足、安心感の確保ができる。積みは罪だという意見もあるけど、保険の積み重ね的なイメージもある。物理的空間を必要とするのが難点だけどね。

プラモデルでも書籍でも鉄道模型でもゲームでもなんでもいいのだけど、趣味の対象となる造形を調達して、実際に手をつけずに積んでしまう行為。積み●×という呼び方で半ば自嘲的に表現することも多い。仕立て屋における生地の調達みたいなもので、積んでいくごとに自分の可能性や創造の際の手口が増えるという効用があるという認識をしているのだけど、この積みという行為そのものが趣味の、楽しみの一つとなっていると考えると納得がいく。


積むことで満足してしまうので手に取らないってのは結構ある。必要無い、とりあえず確保、是非とも楽しみたいから調達。この3ポジションの境い目は結構曖昧で、最後のつもりで調達しても、実は二番目だったりすることも多い。

他人から見れば無意味な造形の山でも、本人にとっては宝の山。価値観の具象化の一形態が積み●×なのだろうな、と。

ただ、この価値観がゆがんでしまうと、いわゆるゴミ山ハウスとなってしまう。そう考えるとそれの類は多分に、精神の上での常識・非常識の境界線があいまいになってしまっている人なのだろうなあ、ということも理解できるのだな。

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このページは、不破雷蔵が2019年2月 6日 07:16に書いた記事です。

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