シニアカーの酔っぱらい運転の是非と「表記するのは差別だ」という意見と

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警察庁が公式サイトで公開している「電動車いすの安全利用に関するマニュアル」を巡り、障害者団体のDPI日本会議が抗議の声明を公開しています。団体が問題視しているのは、マニュアルにある「飲酒等して電動車いすを利用することは絶対にやめましょう」という部分。


電動車いすは法律上歩行者と同じ扱いになるため、自動車などのように飲酒をしても飲酒運転とはみなされません。にもかかわらず電動車いすユーザーに飲酒後の利用をやめるよう呼びかける内容に対し、団体側は「障害者への差別」であると強く批判。マニュアルの改善を要求しています。


詳しくは引用記事に書いてあるけど、高齢者向けの電動車いす...というかシニアカー、低速電動自動車は法令上は現状では歩行者扱いになっているから、別に酔っぱらい運転をしてもいいじゃん、そのリスクがある状況を許容してもかまわないじゃん、飲みながら歩いているのと同じだし、それを咎めるのは差別だと息巻いているという話。15年前のマニュアルに対する意見という観点でも、実情に合わせた状況として見ても、色々と首を傾げる。


【シニアカーの法令上の立ち位置】は原動機を用いる身体障害者用の車いすということになっていて、実情に合わせる形で法令のあれこれがあって「この領域なら歩行者扱いでOK」ということに。元々車いすの電動タイプがあったけど、それの発展版で似たようなものだから同一視していいよね、的な雰囲気ではある。

ただ、今件のような話になると、現状にはそぐわない法的解釈がなされているということになるし、それも問題無いと断言しろ、差別だと主張しているように受け止められかねない。単なる歩行者も飲酒状態で他人にぶつかってけがをさせたらどうなるのか、そのリスクを考慮したら......ということを考えれば、正当性は無いように思えるのだけどね。

当方も病院内で似たようなヒヤヒヤ体験を何度となくシニアカーでしている。その時も利用者はまるで歩行者同様の振る舞いをしていた。でも実際にその場を走っていたのは歩行者じゃなく、動きも鈍い、重量は大きく勢いのあるシニアカー。歩行者と同じ扱いにしろという話をあまりにも強調して権利を拡大させろと大騒ぎしていると、逆に「実情として危険な事案があるのだから、しっかりと規制を設けて対処しましょう」という事になりかねない。例の、グレーゾーンを悪用して大暴れしていると、白黒はっきりさせられてしまい、結果として多くの人が損をするという事例。

指摘にもあるけど、シニアカーは自動車とは違うので各種保険加入義務が無いし、運転免許もいらないし、歩行者との事故を起こしても交通事故にはならない。歩行者扱いされているから傍若無人に行動できるってわけじゃないし、歩行者と同じような行動をしても全部許されるというわけでも無いし、物理的に歩行者と同じ行動ができるわけでも無い。その辺りを都合の良いように解釈して周囲をぶんなぐっていると、それじゃあ危険だから線引きを明確化しましょうね、新しい線引きをしましょうか、ということになりかねないのだけどねえ。

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このページは、不破雷蔵が2018年11月29日 07:36に書いた記事です。

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