電子書籍の強みと、それゆえの強固さによるハードルの上昇

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実際に数量的な部分を計算すると色々と誤差があるけど(例えば本屋さん数は【書店数とその坪数推移をグラフ化してみる(最新)】にもある通り2017年度時点で1万店ちょいとあるけど、商業統計調査だと6000店強とかね。本を買える場所の概念も多様化している)、商品の多様化、選択肢のけた違いの増加によって競争が激化しているってのは間違いない。昔......というと曖昧だけど、ともかく以前はこれを買ってりゃ間違いないというかこれしかないよね、的な存在を基に色々とネタ話に花が開いたけど、今では選択肢の増加で共通性のネタが掘り起こしにくくなっている。週刊少年ジャンプが絶対雑誌というわけでは無くなっている。

さらに指摘はされていないけどネット通販で入手も容易になった。最新のものばかりでなく、昔のも容易に掘り起こしできる。現在のみの商品一覧だけでなく、昔までさかのぼっての時系列的な商品一覧からたどれる。二次元的な商品展開では無く、三次元的な商品展開になっている。

購入側には便利な話に違いない。そして手に入れた本も電子ならばけた違いに大容量を保全しておける。ゲームの世界のマジックバックを手に入れたようなものだ。制作費云々ってのもゼロじゃないし、下手をすると新刊と同じぐらいのコストはかかるけど、少なくともゼロから創生するよりは気が楽。

これって感覚的にはデジタル面で先行している、音楽界隈に似ている状況。手元にある再生端末に自分の好きな音源が、登場時期を超えてライブラリ化されている。新曲が出ても歌手買いとか好きな芸能人がお薦めしていたとかいう特異な事例で無い限り、曲そのものが良いように思えても、手元の音源で聴く分には十分だということになる。新曲は同時期発売の他タイトルだけじゃなく、これまで発売されたあまたの有力タイトルとの対峙を余儀なくされる。それが本の世界にもやってきている。それだけの話。

音楽と本とは違う面も多々あるけど、似ている部分もある。どのように新刊をプッシュしていくかは、今の音楽業界の失敗経験や成功のノウハウが参考になる部分もあるんじゃないかな、と。

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このページは、不破雷蔵が2018年11月23日 07:07に書いた記事です。

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