漫画の見開き表現と電子書籍の相性

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タブレット型端末にしてもスマホにしても、電子本を読む時は原則1ページ単位でめくることになる。画面表示面積はさほど広くないからね。パソコンで閲覧するようなウェブ提供型の電子コミックの場合は、見開きの2ページ単位でめくることができるのも多いけど。

で、指摘されている通り1ページで1画面という提供スタイルで読む人が増えてくると、見開き表現というのが読者に伝わりにくくなってしまう。見開きで大の字になっている人を描写しても、電子書籍だと最初に右半分、次のページに左半分の人がみえているだけという、間抜けな感じになる。見開き描写に慣れている人なら「ああ、これは元々2ページにわたって大きく描いているのだな」という理解ができるけど、電子書籍の1ページめくりに慣れている、それがほとんどの読書スタイルの人では、首を傾げてしまうかもしれない。少なくとも読んでいる作品の熱中度、没頭モチベーションはしぼんでしまう。

見開き描写の効果は高い。ここぞという時に使えば、強烈なインパクトを与えることができる。けど、読者の端末によっては逆に興ざめしてしまう、その割合が一定率以上になっているということを考えると、見開きは避けねばという判断も納得ができる。

似たような話はガラケーに四コマ漫画が掲載されはじめた時にも言われたんだよね。目線の方向が紙媒体の雑誌における上から下にってのじゃなくて、横に表示した場合は横になってしまう(ガラケーの画面が縦長なので、ひとコマ単位で表示させるのには横表示させる方が楽だった)から、漫画によっては面白みが分からなくなってしまうって話。


確かに紙媒体の雑誌でも喉の部分(織り込んだところ)で区切れてしまったりゆがんでしまうので、ちょいと興ざめってのはあった。その辺は読み手側が脳内で補完しなきゃって感じではあるのだけど。

これは表示させる媒体側の進化を待つか、あるいは作品側が媒体に併せてトレンドを代えてしまうかのどちらかなんだろうけど......。仮に見開き表示してもまったく問題の無い媒体が出来て、それが一定率の利用度合いとなったとして、見開き表示を多用するようになるのだろうか。何か色々と考察する面白みのあるネタには違いない。

そういや、絵本とかはどうするんだろうね。漫画じゃないけど、見開き的な使い方するの、結構多いんじゃないかな。

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このページは、不破雷蔵が2018年9月 9日 07:32に書いた記事です。

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