ゲームや漫画と比べて小説の「とりあえず」は難しい

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ウェブやブログ、そしてソーシャルメディアの普及によって情報の性質も随分と様変わりをして、エンタメコンテンツの需要予備軍へのアプローチ手段も結構変わってきている...というか増えている。既存のスタイルでもいいのだけど、それに加えて新しい手段ではどのような手立てがいいのかというのが、試行錯誤の形で続けられている。

特にソーシャルメディアでは、試しにとか思い付きで描いてみたりしたのが思いっきり注目を集めて定期掲載をするようになり、それが商業化し、さらには物理媒体本として出るケースも珍しくなくなった。最初からウェブ上での掲載展開がされるよりも、さらに在野から抽出されるという感じ。まぁ、多様化には違いない。

で、ゲームだったら面白画像とかスゴイ動画、コミックだったら魅力的なシーンとか山場とかを掲載して注目を集め、そこから色々と派生していくというパターンが多い。ビジュアル的な印象はぱっと見で注目を集めるってのは、ウェブ上でのイメージカットやイラスト、動画掲載が効果的という手法と同じ。

その観点では指摘の通り、テキストが主体となる小説というのは、ゲームやコミックと比べてアプローチが難しい。流しそうめんのようなスピード感で流れていく情報の中で、ある程度まとまった文章を読み解かないと魅力がつかめないってのは、結構不利だったりする。「とりあえず」で生ジョッキとかお通しでは無く、ラーメンなんちゃらの大盛りラーメンが出てきたらどうしよう、的な。

拡散されても書籍などの実売に結び付けるのは難しいってのは、媒体の性質上の問題でもあるけど、つまり相性のお話ではあるけど、宿命な気がする。


その観点ではやや古臭い言い回しではあるけど、メディアミックス的な方法論は確実ではある。アニメ化されたら原典の小説も売れる、コミック化されたら原作のラノベも伸びる。直接小説から攻めるのではなく、よりハードルの低いメディアを呼び水として用意して、そこから沼に誘導する。間違っちゃいないし、現状では正しい方法論に違いない。

もっとも、小説の類でもそれ自身から注目を集めることはあるし、方法論もいくつか前例があったりする。難しいけど、やり方次第ではないかな、というのが自論ではある。無論、使える対象と使えない対象があるのだけどね。

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このページは、不破雷蔵が2018年6月21日 07:05に書いた記事です。

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