保育施設などでの報告事故件数が増加中

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内閣府は28日、2017年に報告があった保育施設や幼稚園、認定こども園での事故件数を発表した。全治30日以上の重大な事故は880件で、前年比1・5倍。子どもが亡くなった事故は8件(8人)だった。


事故は前年より293件多かった。内閣府の担当者は、15年度に義務づけた事故報告が周知されてきたことが件数増加の要因と分析。都市部を中心に保育関連施設の利用者が増えたことも影響したという。


内閣府の関連調査プロジェクトチームの中間報告書を基にした記事。詳細はまた後程出てくるのだろうけど。

で、記事にも一部書いてあるけど、保育施設などでのリスクが高まったので事故件数が増えた、ように見えるタイトルなんだけど、実際には「報告されるケースが増えてきた(かつては報告されない事例も多分にあったものと思われる)」「保育施設そのものが増え、対象者も増えた」のが要因では無いかな、と。これって、不登校やいじめ、放射線関連の検査と同じ構造。細かくチェックして報告を義務付けてそれが周知されれば、カウント数も増えていくよ、というもの。

死亡事案は元々数が少ない(多いのはそれはそれで問題だけど)ので、統計上のぶれが出やすいから、もう少し経年変化を見るとか、3年間平均を取ってその動きを見る必要があるのだけど。

一次資料は内閣府の 教育・保育施設等おける重大事故防止策を考える有識者会議年次報告 中間報告 www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/outline/index.html から。2015~2017年の死亡事故計35件を見ると、睡眠中によるものが71%ともっとも高く、また入園から30日以内に発生した事案が34%、時間帯では午睡中の19件がもっとも多くなっています。死因別では病死が8件、SIDSが2件など、その他(死因不明など)が23件。死亡件数の傾向としては減っているのは間違いありませんが、絶対数が少ないため統計的のぶれも考えられるため、注意が必要です。


事故では骨折事案が最多ですが、負傷部位別では上肢がもっとも多く5~7割、発生時の状況は屋外活動中が過半数。事故の誘因は「自らの転倒・衝突によるもの」が4割、次いで「遊具からの転落・落下」が3割を占めています。


一次資料の方を見ると、具体的に保育中にどのような事案が発生しやすいのかがわかる。ただこの事案内容って、例えば保育施設に預けずに家庭で育てている場合と比率的に、どのような違いがあるのかなという感もある。つまり、家庭での保育でも同じような割合で発生し得るものではないだろうか、という話。無論、複数の子供が集まっている環境におかれたことで、はしゃいだりして行動が活発になり、その際に発生する事故の類は増えるのだろうけど。

統計的にもっと引いた上で見る必要があるのだろうなあ。

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このページは、不破雷蔵が2018年5月29日 07:04に書いた記事です。

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