「孤食」の増加、一日の食事すべてを一人で食べる人は15.3%に

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政府は29日、2017年度版の食育白書を閣議決定した。一日の全ての食事を1人で取る「孤食」の日が週の半分以上の人が15.3%を占め、6年前に比べ約5ポイント上昇したとの調査結果が示された。少子高齢化が進む中、独り暮らしの高齢者が増えていることに加え、夫婦だけなどの少人数世帯でも時間が合わず、孤食を余儀なくされていることが背景にあるという。

厳密には「一日の食事すべてを一人で食べる孤食状態」が週に4~5日以上ある人の割合が、2011年時点では10.2%だったのが2017年では15.3%に増加していたというもの。6年間で調査が飛んでいてその間の値が無いので統計的なぶれの可能性はあるのだけど、調査対象母集団が2000人近くなのであまりその辺は気にしなくてもいいかな、と。

で、説明されている通り、回答者の孤食状態が増えているのは、世帯構成人数の減少が主要因。自宅で食事を取る場合には世帯構成員が自分だけなら自動的に孤食になるからね。外食の場合は...一応同じ場に他の人がいるから、孤食とはならないのだろうけど。あとは少子化、さらに共働き世帯の増加で、食事をともにとる時間調整がし難くなっている。さらに食生活そのもののスタイルの変化により、皆でまとめて食べなくてもいいような食材が増えているってのもあるのかもしれない。


もう少し大規模な調査で属性別の動向も知りたいところだけど。一日すべてを孤食でしている人の多くは、その状態に否定的。トップの「食事の時間や場所が合わない」ってのは世帯構成員が回答者以外にもいるケース、第二位の「一緒に食べる人がいないため」は多分一人暮らしのケース。ただ同時に、孤食を否定的には見ない人も多い。

「孤独のグルメ」のケースもあるし、一人で食べることを頭から否定するのはどうかな、という気もする。一方で外食の類が孤食にならないとするのなら、学食みたいなものを公的に作るってのもありではないかな、と思ったりもする。

で、今調査の「孤食」って厳密にはどんな定義なんだと調べたら、調査そのものは【食育に関する意識調査】で、調査票では「あなたは、1日の全ての食事を一人で食べることがありますか。この中から1つ選んでください」とのみあるので、これは回答者自身の解釈次第となる。食堂での食事は皆が一緒の場にいるから孤食じゃない、でも結局他人とのお話をしているわけじゃないから孤食だ、どちらとも解釈できるんだよね。個人の価値観にもつながってくるからなあ......。

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このページは、不破雷蔵が2018年5月30日 07:04に書いた記事です。

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