概念の確立と名付けは認識を生み出す

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「まおゆう」でも似たような話があったなぁ、ということを思い出しながら。昔は科学技術がそこまで進んでいなくて理屈的に理解できなかった不思議な現象が、色々と理詰めで説明できるようになり、そういうものだとして概念化され、言葉が付けられて定義づけされる。するとその類の現象が正しく仕切り分けされてカウントされるので、これまで曖昧だったものがしっかりと分かるようになる。

指摘されているアレルギーがよい例で、こういう理由の下にこんな反応が起きるのだよという理屈が分かり、概念として周知されていないと、統計化もできない。当然、数もカウントできない。これは例えば、現在でも未開の場所に住んでいる、科学も医学も無いような場所では、同じようなアレルギー反応が生じたとしても、それがアレルギーであるとは当事者たちには分からず、何か急におかしな症状が生じた、亡くなったということで終わってしまう。悪魔に憑りつかれたとか、呪いが起きたと思うかもしれない。

概念を確立して名前をつけることで、人はそれを認識し、取り扱うことができるようになる。ある意味、概念はものすごい発明ではあるのだな。


そして指摘されている通り、概念が確立されていない時期においては、その概念にマッチする条件の再検証ができないため、推測以上のものはできない。そうじゃないかな、それっぽいなぁ、というのは不可能では無いけれど。

以前も取り上げたけど、花粉症だって昔は無かったかのような話はあるけど、花粉症という概念が存在しなかった時は、色々な症状が報告されていただけの話。まぁ、環境の変化や人の耐性の変化が生じて、過敏になっている可能性はあるけど、それを確かめるすべはない。

原因不明とされていた奇病とかも良い例だし、一昔前、ふた昔前では社会一般にごく当たり前のように存在していた、それ故に気にも留めていなかった事象が、今の概念で考え直すと、それなりに大きな話ではあったというのは、よくあるケースなんだよね。

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このページは、不破雷蔵が2018年3月12日 07:23に書いた記事です。

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