トランプ大統領の「殺人」発言と報道しぐさと

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【AFP=時事】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は12日、日本を含む貿易相手国が「殺人を犯しながら逃げている」と非難し、対抗措置を取る構えを示した。


「他国に利用されてばかりではいられない」と述べ、「わが国は対中日韓で巨額を失っている。これらの国は殺人を犯しながら逃げている」と指摘。


今朝起きてみたらこんな感じの驚くような記事が目に留まり、ちょいと違和感を覚えて確認したら、AFPそのものでは原文は見つからなかったものの、ロイターで【U.S. to push for 'reciprocal tax' on trade partners: Trump】にて確認ができた。「The United States loses "vast amounts of money with China and Japan and South Korea and so many other countries ... It's a little tough for them because they've gotten away with murder for 25 years. But we're going to be changing policy," he said. 」とある。確かに該当部分は「they've gotten away with murder for 25 years.」で直訳すると「25年間も殺人をし続けてきた」とあるけど、この部分だけでもなんか変じゃないのかと気がつかない方がおかしい。


一応ツッコミのコメント「スラング、慣用表現の類として「好き放題していた」「ほとんど何のペナルティも与えられずにやりおおす」であり、そのまま直訳するとは何事か」と説明をしておいたのだけど、昨日当方が寝た後に各方面ですでに同じような指摘が成されていたようだ。

で、これってAFP=時事とあるので、AFPの記事を時事が訳したわけだけど、英文のAFPの記事が見つからない。まぁ、語りの内容そのものは上にある通りロイターなどでも確認できるので、やらかしたのは時事の可能性が出てきたな......と思ったら、【トランプ氏、日本などが貿易で「殺人」と非難 対抗措置を警告】とAFP自身がやらかしていた。


一応ツッコミのツイートをいくつか、翻訳に関わるエビデンス関連も併せて覚え書き。昨年の「無敵艦隊」同様、トランプ氏ってその行動性向からスラングとか慣用句を使う傾向がある。これってリベラリストな人は嫌うだろうけど、本人の性質上仕方ないのと、不特定多数に直接訴えかけるとの観点ではむしろメリットですらある。専門家による専門用語では無く、一般的な用語で語るのと発想的には同じ(そのような意図で使っているのか、結果としてそうなっているのかは誰にも分からないけどね)。

そして、この類の慣用句はちょいと調べれば、さらに文章の前後を読めば、直訳してよいものか否かはすぐに分かるはず。というか、分からなければ商売としてやっている立ち位置としては失格でしかない。

多分に「乱暴者のトランプ氏だから、こんな言い回しでいいだろう」という思惑が書き手にあるように思わざるを得ないんだよね。論説とか物語としてはそれもありだろうけど、報道でそれをやっちゃいけないんだよな。これってもしかして「報道しぐさ」というものなのかしら。

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このページは、不破雷蔵が2018年2月15日 07:42に書いた記事です。

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