エクセルとブラックボックスとオーパーツと

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どこまで史実なのかネタなのか、それともまったくのフェイク話なのかはともかくとして。似たようなケースは実体験も併せ多数見聞きしているものではある。便利な道具が特定少数にしか使えず、それが組織全体の業務に欠かせないものとなっているのなら、汎用性を高めるなり代替を容易にするようにしたり、使える人を増やしてリスクを減らしたり、使える人が抜けないような工夫をしたり。その一方で、風邪で休もうとしたリ条件が悪くて辞めようとすると「君がいないとプロジェクトが止まる」「会社が回らなくなる」という強圧をかけるケースが多々あるのは、要は「都合の良い有能な、そして命令に素直に従う奴隷が欲しいだけなのだな」という実感も。

それはさておき。特定の人にしか使えない技術ってのは、ブラックボックスだったりオーパーツに等しい存在ではないかな、と。何かスゴイ効果を発揮するんだけど、仕組みが分からない。使い方を熟知している人がいなくなれば、単なる箱でしかなくなってしまう。今件にしても手作業がパソコンでの入力を意味するのなら、パソコンが使えない人ばかりだったら手作業ですら「みんなができない」になるし、電卓だとしても同じ事。

技術で先に進める、便利になったら、それを神の恩恵による授かりもの的なものとするのではなく、皆が使えるように努力をすること。少なくとも後継を用意できる体制を整えておくこと......ってこれ、アレだ。人手不足問題、特に後継者不足で廃業とかいう問題と構図は同じだわ。


そしてそれは結局のところ、保険の概念があるか否かということになる。今件ならばコードを書ける人、理解できる人を常駐させているか否か。稼働率は低い存在となるかもしれないけど、いざという時には欠かせない存在。長靴とか、トイレの吸盤とか、スコップとか、そんな感じ。

指摘ではそういうことができる辞めた人と外部コンサルとして契約を結ぶとあるけど、これって某医療漫画では積極的に行われていた方法。内包するのは稼働率が低いから勿体なく見えるので独立してもらって、中抜きをした上で外部契約をするという。これってそろばん勘定の上では正しいように見えるけど、いざという時にすぐに対応してもらえるかどうかは分からないし、セキュリティ上の問題は残る。内策の方が面倒が無い。第一その類のものはピークの有る無しで全体的なバランスを取っているのだから、ピークばかりでは体が持たなくなるのだよね。

まぁ、先に進むことを拒む人が多いと、この傾向は強くなる。いわゆる老が、もといロートル的な人(年齢に限らず、先を見る目、技術を取り入れる好奇心的なものがある無し)が意思決定領域に多いか否か、ということ。組織の硬直化は得てしてそういうところから生じるものではある。頭が柔軟な考えを持っていないと、経験を参照する傾向が強くなり、年をとればとるほどその経験による影響は大きくなるからねえ......気をつけねばならないのだけど。

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このページは、不破雷蔵が2018年2月 6日 07:49に書いた記事です。

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