ボクサーはリングの外で闘ってはいけない

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インターネット、特にソーシャルメディアの普及とスマートフォンの利用率のアップで、情報発信が容易にできて不特定多数に意思を伝えられることのハードルが思いっきり下がったことによる弊害......というべきなのかな。こういう話はよく聞かれるようになった。

漫才師やテレビタレントに限らず、芸能界で活躍している人は、基本的に「メディアの中での演技」を売りにしている。いつも悪役を演じている人が、素の人間性でも悪であり、悪人の素質があるというわけでは無い。よく聞く話だけど、冒険漫画を描く人が冒険家であるわけではなく、ヒーロー小説を書く人が本当にヒーローなわけでもない。作品やメディアの中での所業は、あくまでもその架空の、設定された世界の中での存在であり、現実とは別物。

スポーツだって同じ。ボクシングをしている人はパンチ力や瞬発力に長けているのは確かだろうけど、それを行使してよいのはリングの中だけ。リング外でそのパンチ力を使ったりしたら、お縄になるのは容易に理解できる。剣道のプロが道端で木刀を振り回すとか、F1レーサーが公道で時速数百キロを出して走らせるとか、そういうレベルのお話。

テレビタレントをはじめとする芸能人も、基本は台本に書かれたことをやっているのに過ぎない。地で活躍している人にしても、テレビやラジオ、劇場の中であるからこそ「舞台の場でのやりとり」ということなので許されているだけの話。そのような場は現実とは違うのだよ、という前提があるからね。

でも現実は別物。にも関わらず、現実と舞台とをごっちゃにしたままで振る舞うのは困りものではある。舞台では自分の都合の良いように世界が回っている。いわば神的な存在。だけれど現実はそうじゃないんだよね。

まぁ、舞台でちやほやされると、その舞台世界と現実との境界線があいまいになって、現実でも同じようなものだと誤認してしまうってのは理解できなくはないのだけど。しかし理解できるか否かと、許されるか否かとは別の問題なんだよね。

引用元では大阪の話が出てるけど、今の東京都知事も似たようなものじゃないかなあ、と。舞台で有能なヒロイン役に仕立て挙げられたからといって、現実でもヒロインになれるわけではないし、有能であるとの保証もない。

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このページは、不破雷蔵が2017年12月20日 07:14に書いた記事です。

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