「●×が怒るから」「痛いことされちゃうから」ではなく

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バスの中で騒いだ時に「運転手さんに怒られるから」、おもちゃ売り場でヤンチャをした時に「店員さんに怒られるから」という叱り方をしてはいけない......的な話は以前取り上げた記憶があるのだけど。今件もまさにそんな感じの話。

他人に何かネガティブなことをされるからその行動をしてはいけない、としつけると、しつけられた側は「なぜその行為をしてはいけないのか」の根本的理由が理解できないままとなる。それどころか「それならばネガティブなことをされる人に気が付かれないようにやってしまえばいいのか」と斜め上的な解釈をしてしまう。そうではなく、その行為が自分にも他人にも悪影響を及ぼす、わざわいとなりうるから止めなさいと諭さないと、本当の意味でのしつけ、教育にはならない。

おやつを好きなだけ食べようとする子供に「今日のおやつはケーキ1個だけ」とするのは、「ケーキは一度に1個まで」というルールがあるからというのが直接の理由ではあるのだけど、そのルールが存在する意味として「2個以上食べると食べ過ぎでお腹を壊す」「お腹がいっぱいになって夕食を食べられなくなる」「栄養の摂りすぎで太る」などがあるってのを教えなきゃいけないという感じ。

ましてや行為を留めさせる責任を、第三者に放り投げてはいけない。注射や怖いおじさんを持ち出して、棍棒代わりにしてはいけない。


勝手に使われる棍棒側も大いなる迷惑となる。自称「しつけ」のために使われたものが、本来の意味ではなく、単に恐怖感の対象として認識されてしまう。子供のため、子供が病理から逃れるための行為であるのに、大人が子供をいじめるために注射をしているような印象を与えてしまう。

あるいは子供が注射をいやがるのも、普段のこのような保護者の説明も一因としてあるのかなあ、と思うと、あながち間違ってはいない部分もあるのだろうなあ......と昨今の通院経験の中で、色々と見聞きした待合室でのやり取りを思い返しながら。

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このページは、不破雷蔵が2017年8月18日 07:34に書いた記事です。

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