「取材したい、その素材が欲しいけど報道だから無料で提供して」というご意見

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例のランサムウエア周りで被害を受けた方への取材攻勢の実情の一端。先の「撮り鉄」話でもちょいと触れたけど、このような報道姿勢は以前からのもので、可視化によって多数の人が情報を共有認識できるようになっただけの話なのかな、とも思ったりする。

以前言及したこともあるのだけど、当方のサイトで掲載したグラフやデータを報道目的に使うからと問い合わせをしてくる場合も、大よそ似たような姿勢だったりする。そして対価周りの話になりそうになると「宣伝になるからそれが対価」的なお話。


報道素材を個人などの非報道な人が有しており、それを報道の肩書を持つ人が取得借り受けしようとする場合、このような指摘がある。対価を支払うとウソをついて素材を作り売り込もうとするかもしれない。

しかしながらウソの公知目的や認証欲求ならば対価があろうがなかろうが素材の創生と売り込みはやるだろうし(パクツイが良い例)、どのようなモノのやりとりでもその真贋を見極めるのは買い手によるところが大きい。ガセネタを有料でつかまされるかもしれないから、ガセネタか事実かはともかく、無料で寄越せってのは論理的に破たんしている。

また、報道素材に対価を払うと、ウソネタを売り込んでくるかもしれないからダメだとすれば、直接現金ではないけれど、例えば森友関連や、先の紀伊民報のメールなどはどうなるのかな、と。自説の喧伝や主張の権威づけもまた対価に他ならない。豊洲事案も然り。具体例は山ほど出てくるよね。意図的な情報リークの類などは皆そうでしょう。

結局「対価を求めてウソを素材として提供してくるから」ってのは、ていの良い大義名分でしかないのだよね。

また、今件の「対価を支払うとウソを売り込んでくるから無料」ってのに既視感があったのだけど、それが分かった。この考え方、例えば災害後の慈善活動などに関して「対価を支払うと金目当てでやってくるからダメ。ボランティアで無いと」と同じなんだよね。

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このページは、不破雷蔵が2017年5月15日 07:53に書いた記事です。

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