アマゾンのマーケットプレイスの詐欺業者に関するあれこれ、その後

| コメント(0)


先日掲載した【アマゾンのマーケットプレイスにおける詐欺業者問題】の補足というか追加情報的なお話をいくつか合わせて。まずは記事展開後にいただいた意見へのお返事的なもの。確かにマーケットプレイス業者の中にはアマゾン出庫であっても、その中身が100%正規の商品であるか否かは確かではない。実際に、別物とかまがい物とかをつかまされたとの事例はある。ただそのようなものは今件の詐欺業者事案とは別物であり、一緒に語るのはどうかな、ということで話は省いておいたまで。今件はネット経由のみでやらかすことができるのが最大の特徴。

なお今件に関してアマゾンにいくつか問い合わせをしたけど「公開できる範囲での回答を」との但し書きで問い合わせたら、なんだかお茶を濁したような、問い合わせ内容と軸のぶれた回答しか戻って来なかったので、やはりお話できない部分での問題なのだろうなあ、という感はある。

カメラ用ストロボを取り扱うニッシンジャパンは4月25日、広報担当者のTwitterを通して、同社正規取扱店の「ニッシンデジタル・ダイレクトAmazon店」で出品されていた一部商品が出品停止になったことを明らかにした。広報担当者は「Amazon詐欺出品の影響」としている。


 同Twitterによれば、詐欺業者が大幅に安い価格でマーケットプレイスに出品したことで、Amazonのシステムが正規品の価格を異常に高いと認識し、出品停止になったとしている。26日現在は、全ての製品が正常に出品されているという。


今件に関して「異様な値下げをしている業者は自動的なパージをするプログラムを......いや、それは難しいかな」と思っていたら、逆に高い業者を自動パージする仕組みはあったようで、詐欺業者が極端な安い価格で出品することにより正規業者が相対的に高過ぎると判断されてパージされるという、本末転倒的な事案が発生している。システムの隙をついたというか、バグ的なものを悪用されているというか。

結局、ある程度リテラシーを有する人なら気が付くのだろうけど、初心者とかあまり知らない人はサクッと騙されてしまう。補償制度を知らない人はアマゾンへの手続きもしないので損をしっぱなし。個人データを盗取されて、新たな詐欺業者アカウントのダミーデーターとして使われたとの話もある。


詐欺業者の行動ロジックとしては「新規にアカウントを取得するか、一段階認証をしていた古い、今はもう使っておらず放置しているアカウントを盗取」と「カテゴリのトップランキングにある商品を安値で取り扱う」の2段階があるように見える。該当する商品を確認すると、アマゾン本家からではなくマーケットプレイスの新品の値動きを見るに、 詐欺業者がべらぼうな安値で出品→アマゾンが詐欺業者を削除して通常の業者が最安値→新たな詐欺業者がべらぼうな安値で出品 のパターンを繰り返すので、値動きチャートが奇妙な形になってしまっている。

また、例えばゲームソフトなどはカテゴリのトップ変動が激しいので、複数のタイトルが侵略されてしまっている。この挙動を見るに、あるいは一度カテゴリトップとして目をつけられると、しばらくは詐欺業者アカウントのターゲットとなるような仕組み、データの共有化がなされているのかもしれない。

今回のような事案がアマゾンで起きた、楽天などでは生じていないのは、ひとえにアマゾンが世界展開をしているから。市場が大きければ確率は低くても実数としては大きなものとなる。それだけ詐欺業者にしてみれば稼ぎやすい市場ってわけだ。抜本的な仕組みの変革が急務だろうなあ、これ。

関連記事             

コメントする

            
Powered by Movable Type 4.27-ja
Garbagenews.com

この記事について

このページは、不破雷蔵が2017年4月27日 06:52に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「お土産お菓子、知名度トップは「白い恋人」」です。

次の記事は「国境なき記者団の「報道の自由度ランキング」が今年も発表されたけど」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

* * * * * * * * * * * * * *


2021年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30