インターネットで情報検索・取得するのが当たり前になった時の盲点

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今件は直接的には鉄道関連の趣味の話ではあるけど、それに限らず情報を取り扱うこと全般に言える話。ウェブ上の情報を検索して取得するのは、いわゆるランダムアクセスの広域版のようなもので、非常に便利ではある。図書館に足を運び窓口で端末にデータを入力すると、ほしい書籍が即時に確認でき、わき目もふらずにその本めがけて一直線、他の本には目をやる必要もないって感じ。スーパーならば購入リストを片手に、リストの食材のみを目にするってところかな。

ではあるのだけど。この方法論をはじめから何度となく繰り返し使っていると、大局的な部分が把握しにくくなる。日本史ならば戦国時代と明治時代、太平洋戦争の時代には詳しいけど、他の時代はてんで分からん、的な。

ほしい情報を即時に取得できること自体は非常に便利ではあるけど、その周囲の情報を得る機会を失うことをも意味する。まさに語られている通り、要所要所は非常に詳しいけれどそれぞれのつながり、全体の流れを知らないってことになる。以前【初心者向けのお話は「ゼロから」のものが求められる場合も多々ある】でも触れた、ゼロからの初心者向け教本が必要、需要が増えているってのは、こういう事情もあるのかなあ、と思ったり。

......というかむしろ逆で、土台の部分がしっかりしていないと、細かい部分の精査をしたところで理解したり身につくことも無く、その場しのぎでしかなくなるような気がするのだけど。まさに住宅で土台部分を省略し、いきなり玄関とか屋根を創るようなものだし。


どの時代にもその時代の様式、仕組みに適応できる人は多々居るので、今のツールを巧みに活かして体系化した上で理解できる人も多い。ウェブ上の情報にしても「断片的に取得する」ことしかできないのではなく、断片的な情報をトリガーとして全体を得られるようになっているから、結局は個々の心構え次第。ただ、その心構えができていなくてつまみ食いを繰り返していても、ぱっと見ではしっかりやっているように見えてしまう、自分自身がそう判断しかねないからタチが悪いのかな。

個人的には時間はかかるかもしれないけど、むしろ体系的な理解をした方が理解は深まるし暗記もしやすい。特に歴史関連は......と思うのだけど、それすら認識していないケースもあるのだろうな。何しろそういうノウハウは教えられる機会があまりないから。

その意味では、揶揄的表現をされることも多い「形から入る」ってのは、実は王道的な成功パターンなのかもしれない。

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このページは、不破雷蔵が2017年2月26日 07:42に書いた記事です。

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