「そこをなんとかするのがプロでしょ」と言われたら

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当方は幸いにも最近ではこの類の発言をされた記憶が無いのだけど、昔はちらほらあった気がする......けど明確な記憶としてでは無いので、恐らくは忘れてしまいたいようなものだったんだろうな、と。専門的な技術を持つ人が仕事の話をする際には、結構受けるタイプのセリフには違いない。

提示された条件をざっと勘案して、あるいはさらに専門的な精査をして、どう考えてもその条件では無理だという内容だった時。例えば日数が絶望的に足りていないとか、予算がけた違いとか、前提条件からして希望的観測がダース単位で盛り込まれているとか。先日の「予算が無いけど良い人材は欲しい」も同じような軸の話かな。

で、「ムリです」と素直に、誠実に回答するとこのような無茶な返しをしてくるケースは確かに存在する。専門職な人、プロの人は何でもできる、しかも自分が想定したような低コストでという、自分の思惑が世界を支配するルールであり、それに従わない現実は認めないというもの。あるいはごり押しすれば相手も妥協してくるだろうと考える、雑な交渉術の持ち主。

そのようなケースには指摘の通り、「そのプロが無理だと断じているのだから、それ以上の回答は無い」の返しで良いのだと思う。

素人ではできない判断を求めてアプローチをしてきたにも関わらず、そのプロの判断には(自分の想定した結果でないと)反発して認めようとしない。ある意味、だだをこねているだけとも評価できる。

「王様の仕立て屋」の主人公織部氏だって、出来ない時にはしっかりと断っているし、条件・設定を変更すれば可能であるなら、無茶をすれば可能である事例には相応の特急料金を請求するんだよね。「そこをなんとかするのがプロ」云々としてくる類は往々にして、対価の話になるとノーマルの額しか出さないからタチが悪い。

......この類の話をすると「そこはプロ側の条件交渉次第」とのツッコミがくる。条件交渉で何とかなる相手なら、初めから「そこをなんとかするのがプロ」などというセリフは出てこないと思うのだよね。それが出る時点で事前に仮説条件変更による各種精査をプロ側が行っているわけなんだから。

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このページは、不破雷蔵が2017年2月23日 07:03に書いた記事です。

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