若者に「自動車買えよ」と言われても ならばあなたがお金出してね、的な

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先日、超高級車のラインアップが呈され、それを見て買えるわけないじゃとする筋と、たとえその時点で手が届かなくても憧れを抱くのは良い話だとする説明があり、そういや前世紀には子供向けのスーパーカーブームがあって「スーパーカークイズ」なるテレビ番組や、スーパーカーの消しゴムが流行ったとの記録もあったなあというのを思い起こしながら。

今の「若者は車を買わない。買え買え買え」と自動車業界やシニア層が昔の感覚でツッコミを入れているけど、それは今の若年層には無理筋でしかないなあ、と。現代人に乗馬用の馬を買えとか、鎖帷子と刀をそろえろとかいうのと同じ感覚。

無論、上にある通り、近郊や地方在住者には移動機関としての自動車は必要不可欠ではあるのだけど、軽自動車で事が足りるので、軽を買う。すると「普通自動車が売れない、軽じゃなくて普通を買え」とまたツッコミが入る。でも要らないものは買うはずもなく。

上での戦車や装甲車は半ば冗談だけど、それぐらいの強い需要が無いと、日常生活の上で不必要な、必要優先度の低いものは手にしない、しかも金銭的な自由度が随分と縮退しているのだから、買わなくて当然ではある。500円しか手持ちのお小遣いがないのに、1000円の高級アイスセットを買えとか2000円のおもちゃを買えというのは無理な話だし、800円の付録付き雑誌を買えといわれても躊躇してしまう。金銭的な不安というハードルをクリアできる魅力が無い。何かのファンであるならば、そしてそのファンの需要を満たすものならば、多少の無理は可能となるけれど。


まずは現状の、そしてランニングコストも合わせ考えると将来も合わせ、金銭的なそれなりの手当がなければ、自動車は随分と手が届きにくい存在には違いない。無論ゼロか1かではなく、グレーゾーンが多分にあり、それをクリアするか、乗り越えずに手を挙げるかは、金銭的な面以外での魅力をどれだけ自動車が生み出すか。

戦車や装甲車云々ってのは極端すぎるけど、魅力という点ではまさにそんな感じ。映画に出てくる、あるいは日常で活躍するあの車両が自分にも運転できるとなれば。それは方向性が少々異なるけれど、コスプレに近いものがある。

また指摘されている通り、昨今では自動運転の話も小さからぬ障壁となっているに違いない。放っておいてもあと数年でこの辺りの技術が多分に進んで導入がなされるのだから、わざわざ買い急ぐ必要は無い。

まぁぶっちゃけると、「正規雇用して定期昇給と残業代を満額支払うという、昔の感覚・常識を今の若年層に無理やり当てはめれば」で、自動車問題だけでなく、今の社会の問題の相当部分が解決するのだけどね。その点では、終身雇用制ってのは社会の安定に役立つ制度であったとも考えられるわけだ。

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このページは、不破雷蔵が2016年10月11日 07:22に書いた記事です。

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