本当に分からない人は何が分からないのかが分からない、さらには自分が分かっていないことすら分からない

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なんだか禅問答のような気もするけれど、うん、実は本当に禅問答のような話なのかもしれないけれど。先の某放送に伴う「貧困」の定義に関する話。この類の話でよく出てくる高級肉の半額セールの写真とか今件も合わせ、いやそれだけでなく放送や新聞記事で出てくる似たような話の多くで実感するのは、指摘されているような話。

貧困ってのは多分に抽象的・相対的概念であり、その内容も多種多様に及ぶのだけど、その少なからずは指摘の通り、知識の貧困、取得している情報の貧困にある。知識が無い、あるいはあってもウェイトが置かれていないので、とりあえず的なものに優先順位が回ってしまう。色々と救われる、利用できる手立ては存在しているのに、それを利用できない。知らない商品は購入できないってことと同じ。

当方も入院前から入院時に高額療養費制度のことを必死に勉強し(何しろ病院側では教えてくれないし、普通は学校では習わない)、入院時の費用をかなり抑えられた。差額ベッド代とかの知識を得たのもこの時。

情報ですべてが解決するだなんてうぬぼれてはいない。けれど、情報でもう少し良くなる、救われる事例は多分にある。


ただ問題なのは上で指摘されている・している通り、分からない人は何が分からないのかが分からないってことが多分にあること。当方の高額療養費制度の場合は、そんな感じの仕組みがあるらしいことを知っていたのである程度あたりが付けられたのだけど、それすら知らなければ、そもそも調べようとはしない、機会が無い。機転がきく人が状況を見て「あれ、それならこの制度が使えるよ」と教えてくれるのならまだしも。

何が分からないのかが分からないので、調べようがない。いや、自分が何か分かっていないという状態にあるのか否かすら分からないので、調べようとすらしない。自分の現状が自分にとってはベストであり、何か状況を改善できる情報があるとは思わない。


さらに。これは一部の中のさらに一部ではあるのだけど。何が分からないのか、分からない部分はどこなのか的な話を外部の人がアドバイスなりをしても、聞く耳を持たないケースも無いとは言い切れない。指摘されている通り、他人の言に耳を貸す、注目する、自分のものとして取り込めるような姿勢を示すってのがあまりできない人もいる。この場合は、分からない関連のネガティブスパイラルがさらに奥深いものとなる。

このようなケースの場合、状況を改善させる手立てはない訳じゃないけれど、多分なリソースを必要とする。リソースが有限な場合、より多くの手助けとなる方面に割いた方が、結局は多くの人にとってためになることが多い。リソースが無限ならば問題はないのだけど。

この「分からないが分からない」とか「情報があれば状況を改善できる」話に絡み、他人からお金のあれこれを受けるのは、どのような状況でも勘弁ならぬという話もある。しかしながら、これは以前から何度か触れているのだけど、そのようなガイダンスをする立ち位置の資格として、税理士や税理士...というか今件の場合は企業なら中小企業診断士、個人ならファイナンシャルプランナーなどが存在する。それらの存在を丸きり無視されているような感じがして、色々と複雑な気分にあるのも否定はできない。そこまで知名度が無いのかなあ、忌み嫌われた立場なのかなあ、ってね。

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このページは、不破雷蔵が2016年8月22日 07:45に書いた記事です。

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