「広島・長崎の原爆はドイツ製」というネタ話

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ちょっとでも正史をかじっていれば、タイトルにあるような話はネタとか架空戦記以上のものではないことは、すぐに判断できるはず。ドイツ製として存在する類のものがあれば、それこそ大戦末期にドイツ軍自身が使っていたはず。ドイツ製のその類の物品は、Vシリーズのロケットとか、ジェット戦闘機周り(戦後史に登場する米ソの兵器や宇宙系技術では、その影がちらほらと。特にソ連製の兵器は、ね)。


で、お話の通り、材料となり得るウラン(U235。ややこしい)を積んでいたU234の話とか、そのウランがどこに行ったのかがよくわからないってことから、タイトルのような話に飛躍したようだ。恐らくは日本に向けて運ばれていたんだろうな。......ってそう書いてあるな。

なので、指摘されている通り、ドイツ製のこのウランがマンハッタン計画に使われていたことを100%否定することは不可能だけれど、その可能性はゼロに等しい。タイミング的に、マンハッタン計画そのものがこの「拾いものが無ければ計画続行は不可能」とするような暗中模索な計画であった可能性は無いし、万一使われていたとしても、予備的なものとか調査目的程度だったのではないかな、と。そしてそのようなことをするためのリソースが確保できたか否かもちょいと疑問。

そんなわけで、ドイツが反応弾...じゃなくて核爆弾を創っていて、それを米国が流用したとか、日本に投下されたものがドイツ製ってのは、ネタとしては面白いけど、それ以上のものではない。まぁ、ドイツの技術が戦後の米国やソ連などに大きな影響を与えたことは否定しないけれどね。


これもネタ話としては結構有名。架空戦記のネタ元としても使われることも少なくない。どうせなら二発目、あるいは一発目が不発で、日本軍に回収されたけど、結局手出しも出来ずに終戦、そして各国がブツを回収するために暗躍する、的な話の方が面白い気がする。不発に終わったことで歴史の流れも多分に変わるだろうから、結構ダイナミックな歴史改変が楽しめるかもね。

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このページは、不破雷蔵が2016年8月 7日 08:10に書いた記事です。

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