「病院を廃止したら市民が健康になった」に異議あり

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財政困難に陥った夕張市では多様な公共サービスが縮小、廃止の状態に陥っている。これを社会実験的にとらえる向きもあるけれど、その実情はともかく、どのようなデータでも解釈を誤ると、とんだ論調がまかり通ってしまうという好例がこのお話。

詳細は記事に有る通り......というかタイトルだけで大よそ理解できるけど、病院を廃止したらその地域の市民が健康になったというもの。そりゃその領域の数字だけを見れば、そのような解釈はできるかもしれない。


ただこれは指摘の通り、リスクを体現しやすい人が他の地域に移っただけの話。その地域に限れば正解かもしれないけど、状況の改善とはいいがたい。物凄い雑な例えをすれば、散らかしたゴミや道具や服やおもちゃをすべて押し入れにぶち込んで「きれいになりました」と主張するようなもの。


夕張市に限定すればこのケースは成功との評価を下すのも一つの切り口ではあるけど、それを他にも当てはめる、参考にする的な評価はするべきではないし、できるような類のものではない。ましてや「学ぶべきこと」として評論するのはもっての他。記者、媒体の姿勢についてまで合わせ、夕張市そのものではなく、報じられた記事の内容に関して、学ぶべき、考察すべきことがあるのかもしれない。

......まぁぶっちゃけると「病院を廃止したら市民が健康になった」ではなく「病院を廃止したら健康な市民だけが残った」だよね。

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このページは、不破雷蔵が2016年7月26日 07:53に書いた記事です。

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