アマゾンの定額読み放題が始まるかも、との話で思うこと

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具体的には【アマゾンの電子書籍読み放題、日本上陸は福音か凶報か】にもあるように、数日前に報じられた、米アマゾンではすでに導入済みの「Kindle Unlimited」のことを指す。これが日本でも8月に始まるのかもね、という話。今のところは公式発表は特になく。

この有料図書館みたいな方式は「サブスクリプションモデル」と呼ばれており、この数年音楽界隈で急速に広まった仕組みに違いなく。デジタルデータとの観点では同じなのだから、音楽ができたのなら書籍だって出来てもおかしくないやん、というところ。

とはいえ、日本ですでに電子書籍などのサービスで行われている類似の仕組みと異なり、アマゾンが始めるとなればケタ違いに多くの本が対象となる。小型トラックによる移動図書館か、県立の大型図書館かの違いぐらい。

それに今でもアマゾンではちょくちょく、電子書籍に関して半額セールだの1円だのゼロ円だのといったセールスをしている。出版社側からすればプロモーションの一環との認識のようだけど、ならば同じ施策対象の冊子を「読み放題」の領域にぶち込んでもおかしくは無い。

一方で、電子書籍に限った話では無く、大手がそのスケールメリットを活かして類似サービスをどーんと展開する場合、指摘の通り中小の威力をそぐために行うとの考え方もできる。ある商圏が欲しい際に、大規模な安売りチェーン店をどーんと立ててその領域の小売店舗の採算が取れないようにして廃業させて集中化した上で、価格のコントロールをする。囲い込み、一極化は昔からのビジネスの基本。


他方、これも指摘の通り、デジタルなので距離感が無いのはありがたいのだけど、それでもなお取得対象が増えすぎると、どれを選ぶか迷ってしまう、判断が付きにくくなってしまうこと。これは先日の「高齢者にとってはお店が広くて商品がたくさんあると、かえって不便さを覚える」のと同じ。その対策としてアマゾン側でも人気別とか高評価別とか、購入者の購入性向を基にしたお薦めシステムも導入しているのだけど、やはり雑多になりすぎることに違いは無い。数量化だけでは解決できないのが、商品の選択ってもの。

個人的には以前デパートの販売スタイル周りで言及したように、AIでも人的でもいいのだけど、ソムリエのようなものがオススメしてくれる機能があるとありがたいのだけどね。実のところアマゾンでは、かつてそれが結果論として有効的に働く環境があった。それがアソシエイツプログラム。ある程度信頼性の高い、専門性のある人による対象商品の「お薦め」は某誌のゲームクロスレビューをはるかに凌駕した確からしさがあるため、そこを経由して多くの人が購入し、オススメをした側もそれなりの対価を得られてソムリエとしての生活が可能だった。

ところがアマゾンがある程度市場を確保した後は、料率をグンと下げてしまい、ソムリエが生活できなくなってしまった。実際に統計を取ったわけでは無く、とれるはずもないのだけど、料率変更で随分とその界隈は減ったはず(優秀な人材も)。アマゾン側としては、自サイト内のサポート機能で満足してくれればそれで良いって発想なのかもしれないけど。

やはり自分と趣味趣向が近しい人を見つけて、その人のお薦めってのをチョイスするってのは、一種の安心感があるんだよねえ......。

また、デジタルによる数量化となると、良いか悪いかになってしまうので、メジャーどころばかりが目立つのも事実。売れるものはどんどん売れて、それ以外はますます売れなくなってしまう。オールオアナッシングに近い状態。


加え、こちらも問題。事実上インフラ(上層部的な)に近しいアマゾンが一極化してしまうと、関連界隈はグゥのネも出なくなってしまう。指摘されている「利用者の利益のため」とか「最大の利用者利益を追及するため」「お客様の要望に応えるため」という、いかようにも解釈できる理由で、利用者の不便、不利益が正当化されてしまう。

まっとうな対抗勢力があるか、一極化した中枢に「顧客第一主義」的な思想がはっきりと存在続けていれば話は別なのだけどね。その「顧客第一主義」にしても、独善的な解釈をされている可能性は多分にあるわけだからなあ......。

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このページは、不破雷蔵が2016年7月11日 07:54に書いた記事です。

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