海老蔵氏が願う取材自粛と、それを無視する報道勢が主張する理由と

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今件はダイヤモンド社の編集を経た上での掲載記事とはいえ、極論として書き手本人の意思、あるいは主義主張であり、業界全体の動向では無いとする解釈もできなくはないし、業界全体の総意であるとの裏付けもないため、あくまでもその可能性を認識した上で。確かに海老蔵氏周りの取材自粛・停止願いと、それを無視する報道界隈の図式は、普段関連業界に興味が無い人でも疑問に思う人が多かったに違いない。しかも当事者ではなく、夫人の、さらに病気に係わる話となれば。

そのような報道状態が続いている理由が語られているのが、この引用元の記事。まぁ、大よそツイートなどで概略が語られている通り、「報道の自由」を掲げるのは勿論、「報道が人気を引っ張ってやった面もあるのだから、報道のご飯のネタを提供するのは当然の話だ。当事者が拒否しても報道にはそれを探る権利がある」的なもの。そして、相手が嫌がっていても特ダネを追求するのは報道の存在意義であり、それを当事者の拒否で引き下がったら存在意義はなくなってしまうとの主張。

まぁ、ひとことで表現するのなら例の「私達記者は正義。がんばる」だね。また今件はいわゆる「メディアスクラム」以外の何ものでも無く。

似たような話は先日の都知事に絡んでも行われている(子供に対する執拗な取材や当人の過去を不必要な面まで暴露しているなど)。まるで「報道の自由」「言論の自由」「競争原理」「雑誌の存在意義」と声高に叫びながら、プライバシーを集団で暴露して殴りつけるようであり。その様相は、対象がいつ一般の人に向けられてもおかしくはなく。何らかの事件の被害者、あるいは加害者の関係者となる可能性はあるのだから。当然、権利の濫用でしかない。

以前何度か触れている、事故被害者や未成年犯罪者の実名報道に関し、「法的、業界規定的、倫理的には匿名が求められているが、実名で伝えることが社会的正義に叶う、貢献すると『報道側が』判断したから」との理由で、実名報道をしたり、過去を色々と暴くのも、この話と本質的には同じ。自らの力の濫用によって、法的には誰も認めていない、認められていない裁きを行う立場、そしてその裁きを直接・間接的に執行する執行官の権限を有しているような状態になっている。その法的、能力的な裏付けはどこにもないのに。


大よそ語られている通りで、記者、報道側か本来あるべき姿、成さねばならない事が軽んじられ、自らの権利を最大限拡大解釈して、好き勝手にやらかしている現状が、改めて体現化され、可視化された感は強い。「報道してやってるんだから、言う事を聞け」という、上から目線モードがフルスロットル。この姿勢は「名前が売れるんだから、テレビで伝えてあげるんだから、無料で資料を寄越せ、コメントしろ、編集されても文句をいうな」とする、昨今よく話題に登るインターネット界隈とテレビや新聞とのトラブルでもよく見られる話には違いない。


まさにこれね。先のSMAP問題やダイコーでのやりとり。「ダイコー、スマップ、山尾議員。女性の壁に、安保法」という言い回しで代表されるような。それができなきゃ、単なるイジメでしかなく。

それでもなお「私達記者は正義」とばかりに「報道」という名の暴力を振り回し続けるのであれば、それがいつ自分自身に振り下ろされる危険を覚える一般の人達は、どのような対応をとればいいのだろうか。

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このページは、不破雷蔵が2016年6月26日 08:14に書いた記事です。

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