そういや「窓際族」って言葉を聞かなくなりました

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少々前のサラリーマンが関わる漫画などを目にするとよく登場する「窓際族」。意味としては言葉通り窓際、常に日光に照らされてあまり居心地のよいとは言えない場所に席を配され、ろくすっぽ仕事を与えられず、それでも排斥されることなく、居るだけで正社員としての最低限の対価は得られる存在。何らかの事情で仕事から隔離されたり、役立つスキルはないのだけど、移動解雇できずにその場に居てもらうだけって感じ。役員の息子とかのように「猿の腰掛的に居るので、仕事は任せなくてよい」とか「仕事は出来ないけれど居る」ってのとはまた別。

しかし指摘されてみると確かに「窓際族」ってのは聞かなくなった。急に無くなったのではなく、窓際からさらに環境の劣化した場所(通路のトイレそばとか倉庫内とか)にシフトして自主退社を求めるようになって、それから待遇そのものを切り捨てるって形になったような。今でも窓際族的な存在はそれなりにあるかもしれないけれど、こればかりは統計調査の探しようもない。ニートや引きこもりならともかく、窓際族の比率とか、どうやって調べるのか。

色々な理由はあるのだろうけど、それだけ企業そのものに余裕が無くなってきたのだろう。社員一人一人への金銭的、心理的、時間的余裕も少なくなり、「窓際族」に対する許容もできなくなりつつあるのかもしれない。もちろん「窓際族」そのものが良いか否かは別として。

まぁ、今の若年層を指して現役引退世代が「今の若者は云々」ってする説教の多分は、現状と昔とを同一視している、現状を理解していないってのは多分にあるよね。大学の授業料が良い例には違いなく。

確かに昔と比べたら今の「若者は意欲がない」かもしれない。しかしその意欲の源を吸い取っているのは、「意欲がない」と説教をしている世代であることが多々ある。だからこそ若者は耳を貸さないのだな。

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このページは、不破雷蔵が2016年6月18日 07:01に書いた記事です。

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