高リスクな高齢者ドライバーの増加と自動運転と

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高齢者による自動車事故が増えている。要因はいくつもあり、高齢者数の増加、高齢者に区分される人の中でもより高齢の人の増加、少人数家族化や単層世代(二世代・三世代でない)世帯の増加、地方における過疎化で徒歩圏内の商用施設が減少していること、生活様式、とりわけ娯楽方面の変化で移動需要がより高まった事などなど。同一年齢階層における自動車事故率は変わらない、むしろ減っているのだから。

で、自動車事故ってのは多分に当事者だけでなく、周辺にも物理的ダメージを与えることになる。「お年寄りが自動車で事故っても自分が傷つくだけだから別にいいじゃん」なんて声も聞かれるけれど言語道断に違いないし、他人への影響を考えるとさらにお話にならない。

心身の能力の低下は幼児退行のようなもので、しかも子供のように時間の経過と共に成長していくわけではなく、むしろ劣化していく。一定度合いに達したら子供と同じような状態だと判断して、免許停止の措置も必要ではないかな、と言う感はあるのだけど。


で、指摘の通り、免許返納制度を設けても、強制取り上げの仕組みがごく一部にしか適用されない現状では、自主返納に応じる人は少ない。ヨッパライが「自分は酔っていない」と主張することが多々あるように、免許返納は自分が老いたことを認めることになってしまうから(現実論として、自動車が運転できない=行動範囲が狭まるのはイヤってのも多分にあるけれど)。一定基準を設けて(例えば免許を取得する時ぐらいに厳しい多数チェック要目)それをクリアできない以上は、問答無用で免許取り上げとの仕組みが出来れば良いのだけど。何しろその資格を心身の上では有していないことを意味するのだからね。

やはりサポートとしての自動運転の技術促進が急務になるのかなあ、という気はする。あるいは強制力のある各種心身能力の試験を一定年齢以上には義務化し、その試験にパスできない場合、免許は取り上げか、自動運転車両限定免許に差し替え、とかね。

ともあれ、誰を守るべきか、優先順位はどのようにあるべきか。すべてをカバーできるのならばそれが一番だけど、あちらを立てればこちらが立たずの場合どのような手をとるのがベターなのか。考えることは多そうだ。

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このページは、不破雷蔵が2016年6月 8日 07:46に書いた記事です。

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