2015年の救急車両出動件数は過去最多に、高齢者対応が主要因

| コメント(0)
総務省消防庁は29日、2015年の救急出動に関する調査結果(速報値)を公表した。救急車の出動件数は前年比1.1%増の605万1168件、搬送者数は同1.1%増の546万5879人といずれも過去最多となった。高齢搬送者の増加などが要因とみられる。

今件はとりあえず的な速報値で、確定報は年末に発表予定の消防白書の開示と共に行われる、はず。なので本家サイトにおける【救急車の病院収容時間などをグラフ化してみる】のデータアップデートも年末まで待ちの状態。

一方、その速報値の時点でも、7年連続の救急車出動件数の増加、搬送者数も増加。理由は主に高齢者の搬送事案の増加による。詳しくは同日付で発表された総務省消防庁の公式サイトに掲載されている「平成27年の救急出動件数等(速報)」の公表などを参照のこと。

今件該当リリースは総務省消防庁の公式サイトトップページの「報道発表」一覧の3月29日付け「「平成27年の救急出動件数等(速報)」の公表」から確認できます。それによると増加消防本部に要因と思われる事由の質問に対し


・高齢の傷病者の増加...67.0%
・急病の傷病者の増加...66.5%
・転院搬送の増加...43.7%

等の回答が寄せられたそうです。逆に減少した消防本部にその事由を尋ねた結果として

・一般市民への救急自動車の適正利用等広報活動...44.1%
・転院搬送の減少...28.0%
・頻回利用者対策の効果...14.7%

等の回答があったとの事です。確定報・詳細分析は年末の消防白書で公開されますが、速報時点では救急出動件数、救急搬送人員ともに7年連続の増加です。

同日公開された「救急業務のあり方に関する検討会報告書」では不足する救急リソースへの対応にも言及があります。合わせてご覧ください。


呼び出しを行った事案に対し、どれほどの割合が適切なものだったのか、それとも呼ぶには至らないものだったのかまでの分析はされていないけれど、同日発表の「救急業務のあり方に関する検討会報告書」では、それに対する懸念も表記されている。

先日の医療保険料の問題などでも触れているけれど、医療リソースが本来充てられるべき対象に回されずに、優先順位が低い立ち位置にある人が先行して浪費しているケースが増えている。医療の素人にその線引きを求めるのは難しい、何かあったらすぐに何でもお医者さんでもいいじゃないかとする意見もあり、それも一理はあるのだけど、医療リソースがカツガツとなっている現状では、そんな贅沢を言っていてはより優先順位が高い人が救われなくなってしまう。

事あるたびに論議される、救急車の線引きの上での有料化ってのも、導入の時期に入っていると個人的には思っている。避けては通れない問題に違いない。

関連記事             

コメントする

            
Powered by Movable Type 4.27-ja
Garbagenews.com

この記事について

このページは、不破雷蔵が2016年3月30日 07:01に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「カラムーチョなぼんち揚げが登場するのだそうだけど」です。

次の記事は「男性がケーキやシュークリームを一つだけ購入してお持ち帰りってのはちょっと恥ずかしくなるけど」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

* * * * * * * * * * * * * *


2021年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30