「漫画の単行本化はツイッター上に逐次新作をあげるのが近道」とウェブ漫画の原稿料体系と

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ツイッターなりPixivは運とちょっとしたコツと実力次第で不特定多数に大きく広まる可能性が多分にあるため、自分を売り込みたい人には良いツールには違いない。実際、そのプロセスを経て紙媒体での刊行を果たした成功例も少なからず見受けられる。出版社側からは、常時作品コンテストが開催されているような感じでもあり、さらに「人気がある≒集客力がある作品は、自然とたくさんの注目を集めリツイートなどがされやすくなる」ということもあり、可能性を見出しやすくなる仕組みなのもポイントなのだろう。

ただこれはあくまでも方法論の一つでしかなく、それのみに頼って成功を目指していると、ほぼ間違いなく補給切れになってしまう。あるいは心が折れる。ツイッターでリツイート1万回がされてもツイートした本人に何らかのキャッシュが直接入ってくるわけじゃない。


最近では珍しくも無くなった、ウェブ上での連載とその後作品を絡めての単行本化のスタイルでも、何度か触れているけれど、ウェブ掲載時には原稿料が発生しないケースも多々あるようだ。指摘の通り、紙媒体での雑誌掲載・単行本化の流れでは、半ば出版社側が雑誌掲載分を持ちだししていたわけだけど、ウェブ掲載版ではその分を作家個人が多分に負担することになる。紙媒体雑誌より門戸は広いけど、経費はあんた持ち、的な。その超門戸広い的な究極版がpixivと思えばよいのかな。

要は「順次雑誌掲載時のコストが抑えられる」、そして「ページビューとかアクセス解析で事前リサーチがある程度逐次出来るので、単行本発行時のリスクが軽減される」のが出版社側のメリットなのだろう。掲載時に閲覧数が少ない、反応もあまり無いとなれば、単行本が作れるだけ原稿がたまっても、単行本化はナシとか刷るけど少数ね、的なこともありうる(契約次第だけどね)。

ただしこれは漫画だけでなく文章・記事でも言えるのだけど、紙媒体向け、ウェブ媒体向け、いずれにしても作り手側の工程、必要投入リソースに違いは無い。むしろ発想は逆で、今よりも紙媒体の権威が絶大だった時代に、「ワープロソフトでテキスト打ちをした原稿を、わざわざ紙媒体で提供するのって、何だか変な感じ。テキストデータをそのまま配信する方が道理じゃないのかな」という考えが多分にあったぐらい。漫画でも加速度的にデジタル化が進んでいるので、「デジタルで創ったものを紙媒体に落とすのも、なんだかくすぐったい感じ」ってことで、デジタルで提供するのも当たり前。

で、結局どちらに提供するとしても、作業は変わらない。コストはかかる。リソースは必要。描いているうちに勝手にコインが沸いてくるわけでは無い。でも半ば以上、指摘されている通り、ウェブ版の掲載においては、創作者側の持ち出しの形になってしまっている。この構図は、うーん、と正直うなってしまう感はある。

方向軸はややずれるけれど、同人誌界隈でも近しいことは言える。お金のためにやっているのか云々って批評もあるだろうけど、お金はそもそもリソースの蓄積可能な一形態であり、何にでも姿を変えられるから、作品への充当のための素材にもなりうる。「お金は国が出してくれる」わけではないのだから、生きていくためにはお金は必要。

この辺りは何か上手い仕組みを誰かが発案して、それに乗るような形にしないと色々と消耗してしまうんだろうねえ......。

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このページは、不破雷蔵が2016年2月16日 07:44に書いた記事です。

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