中東事案は混迷化、されど原油は下落基調

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7日のニューヨーク市場で原油先物相場が急落し、指標の米国産標準油種(WTI)2月渡しが時間外取引で一時1バレル=32・10ドルをつけた。2003年12月以来、約12年ぶりの安値となる。原油の供給過剰感が強まって、下げが加速。30ドルの大台割れが視野に入ってきた。

対ISへの国際レベルでの武力的対抗が本格的なものになってきたと思ったら、内部で「せっかくだから俺は気に入らない所を叩くぜ」的な動きも出て来たし、さらに中東諸国自身も宗教観の対立でぐだぐだに。某海峡閉鎖云々の話も、少し前までは一部で絵空事と鼻で笑っていたようだけど、冗談レベルでは無くなってきた。

となると、当然原油は輸送リスクが上がるため、上昇する......はずなんだけど。実態としては上記の通り、むしろ下がっている。

いくつか理由は成されている。中国の需要鈍化(前々から)、生産調整の兆しが視えない、アメリカがシェールオイルの輸出に転じたことで、世界的なだぶつき感のイメージが強くなったなどなど。安くなっても現時点の水準では、中東諸国の場合はまだ短期的には利益が出るので、手元のキャッシュを増やすためにひたすら増産して売りまくるしかないという、悪循環の感もある。

少し前まではWTIは40ドルが底値かな的な感もあったけど、あっという間に底を破って30ドル台。まさか30ドルは切るないだろうなあ......という気もするけれど、どうも雰囲気として少々自信が無くなってきた。

WTIを直接いじる手段が無いのでETFなどになるのだろうけど、30ドルを切るようならちょっと見てみても良いかな、という気がする。個人的に。30ドルを切ったら、少なくともそこから30ドル以上下がることは無いからね(笑)。

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このページは、不破雷蔵が2016年1月 9日 07:48に書いた記事です。

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