美味しい話には必ず裏がある。これ大原則

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先日破綻して改めて問題視された、レセプト債。あまり聞いたことが無い証券だけど、具体的には医療機関が受け取る診療報酬の受取り権利を、元利金の支払いの原資とする証券化商品。レセプトってのは医療費の明細書ね。要は手形みたいなものだけど、結構仕組みが複雑。

例のサブプライムローン同様、論理的にはあらゆるお金のやり取りを証券化した上で細切れにして売ることは可能だけれど、当然取り扱いは面倒なものになるし、細切れの中身が理解できない、し難いものであれば単なるギャンブルと変わらないものになる。また、運用会社が聞いた事も無いようなところの場合、その能力を推し量ることは難しい。

そして指摘の通り、このような怪しげな所ほど、高利回りや安全性、元本の確保(保証では無い......けれど、素人には同じように聞こえてしまう)をうたっている。

先日本家サイトの記事でも明記したけれど、自分が理解できないものに対する投資は、単なるギャンブル、投機と何ら変わりはない。サイコロを振って偶数が出たら2倍、奇数が出たら全額支払いみたいなもの。そして実際には「6」の目が「5」に代わっているサイコロを振らされたりするわけだ(時として全部「1」のサイコロだったりする)。医療関係のお金のやり取りを元にしたものだから、絶対安全だからと言われても、指摘されている通り鉄板の話を持ち出してて来たら、まぁ金融庁云々ってのはともかくとして、近寄らないのが無難。そもそも今件にしても、被害を受けた人のうち、どれほどがレセプト債の詳しい理屈を理解していただろうか。

書き割りだけでよく分からない文字で書かれた看板を持つ、聞いたことも無いような銀行が突然空き地に出来て、年利10%絶対保証をする定期預金の受け付けをしていたとして、申し込みをする人がどれだけいるかな。つまりはそういうこと。どの道、個人が運用可能な自己資産って、さほどの額ではないのだから、下手に欲を出してチップを失うのは、あまりもまずい切り口でしかない。

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このページは、不破雷蔵が2015年11月17日 07:36に書いた記事です。

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