ネットって結局インフラだよね、的な発想

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先行記事【「書店はネット通販には勝てない、瞬間物質転送器でもあれば話は別だが」との話で思い浮かんだこと】にも連なる話ではあるのだけど。インターネットという仕組みは結局のところ、新聞や雑誌のような業界的、団体的な概念というよりは、インフラ、ツール的な要素が大きい。

これはメディア系の分析記事を掲載する際に繰り返し伝えているけれど、例えば新聞と表現した場合には単なる紙媒体としての新聞や、その新聞の配達システム全般を指すのではなく、新聞を構成するコンテンツそのもの、そしてそれを創生する法人、さらにはその集団業界を意味する。新聞云々と語った時に、学級新聞や個人が印刷した新聞的なものまで包括する事は無い。雑誌にしても大抵は商業誌そのものやそれを出版する出版業界を指すのであり、同人誌などまでは含まれない。つまり、ツールそのものやインフラとしての様式は、その名前自身からは想起されることは無いし、指し示すことも滅多にない。

でもネットの場合は、メディア系の調査では新聞や雑誌と同じようなくくりで、インターネット全般って語られることが多いけれど、実のところは情報を乗せるツール、インフラでしかない。新聞や雑誌界隈ならばそれら自身の業界ではなく、紙媒体界隈全体って感じ。しかもそれらは多分に、ある程度まとまった業界やら法人で構成されており、不特定多数の集合によるネット界隈とは様相が大きく異なる。

で、そのインフラとしてのインターネット。本質は情報の行き来を行うもので、送り手と受け手がある以上、そこからコミュニケーションが発生する。メール、掲示板、ウェブサイト、ブログ、ソーシャルメディアなど、具体例はいくらでもある。動画配信や絵の提供も、結局送り手と受け手との橋渡しとしてネットが存在する。

そしてそれらはいずれも情報のやりとりとなるのだけど、その情報を単なる情報のみとして扱うのではなく、情報から具体的なものを創生させたり、実働化させることで、新たな次元の想起となる。ペーパークラフトの設計図を提供すれば、受け手はそれをプリンタで出力して自分で切り貼りして造形を完成させることで、疑似的なインフラになる。マニュアルをPDFで配信し、プリントアウトしてもらえば、冊子としてのマニュアルが電送されたのと同じとなる。その出力行程まで3Dプリンタなどで自動化したり、あるいはそのまま動きをテレイグジスタンス再現させれば、インターネットは疑似的な運輸・物流インフラになる。

これは先日【3Dプリンターで月面基地を作るという発想】で紹介した概念、そしてスタートレックのレプリケーターと連なるもの。既存の概念、技術を積みぎ合わせて新しい価値を生み出していく、そんな感じ。

リアルな物資を送るのが従来型インフラ。情報を送るのが新インフラ。リアルな部分を再生する仕組みをどうにかできれば、その融合による新しい世界が開けるのもそう遠い話じゃない。そもそも人間をはじめとする生物だって精神・意識部分を除けば、DNAという設計図に基づいて生成された有機化合物の集合体とも考えることだってできるからねえ。

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このページは、不破雷蔵が2015年10月25日 08:03に書いた記事です。

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