独特の雰囲気と間が大人をも魅了する子供向けの絵本「もう ぬげない」

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漫画家界隈の話の中ではしばしば登場する、子供向け絵本というカテゴリ。ビジネス的にはハードルは低そうに見えるものの実のところ非常に高い一方で、汎用性が高く長生きする作品が多いのも特徴。タブレット型端末やスマートフォンを子供の教材、玩具として使う事例も増えている昨今では、デジタル絵本の需要も漸増してきそうな気がする。

で、絵本は多分にその名前の通り、ビジュアル的な見せ方を、しかも子供でも分かりやすいシンプルで明確な表現が好まれることもあり、動画におけるぱらぱら漫画的な見せ方、あるいはソーシャルメディアにおける解説的紹介とも相性が良い。そのため、今件のような、ドストライク的な紹介によって、多くの感銘を受けることもある。

見せ方はまるで新聞の朝刊に掲載されている四コマ漫画の優秀作品のようなもの。話の勢い、臨場感がじわじわと伝わってくるし、最後の一コマにおける間の持ち方、見せ方は、落語的な、漫画そのものなら椎名高志先生やゆうきまさみ先生の作品にみられるような、独特の味がある。これは大人でも十分以上に楽しめる。


プロフィールの説明によると「日常のさりげないひとコマを独特の角度で切り取ったスケッチ集や、児童書の挿絵、装画、イラストエッセイなど、多岐にわたり作品を発表している」とのこと。なるほど「さりげない」を「独特の角度」。これが個性豊かでしかも親近感を持たせる面白みのある作品となる理由なのかな。

子育てをしている方のソーシャルアカウントの中には、毎日の何気ない挙動がギャグ的なショートショートのように語られているものもある。方向性としてはそれに近いものがあり、その素材を自らの技能で作品化したものなんだろうな。絵にしても短文にしても、面白愉快に作品化できる才能ってのは、ホント羨ましいものに違いない。

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このページは、不破雷蔵が2015年10月14日 07:51に書いた記事です。

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