テレビをスマホのように扱おうとするタチパネ世代の話

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去年あたりから何度か取り上げていた「若者のパソコン、キーボード離れ」に関しては色々と物議をかもし、「少数特異例の積み重ねじゃないかな」という意見もあったけれど、複数の統計結果からマジっぽいねという結論に落ち着いている。今後もじわりと増加していくのだろう。

それと似たような話として、先日目に留まったのがこの話。幼少児にスマートフォンやタブレット型端末を渡して操作させる事例は数多く、こちらも統計上複数の結果で裏付けられている。で、それらの器具の操作に慣れた子供が、似たような雰囲気を持つ画面を有するテレビに対し、やはり反応のあるタッチパネルのような操作をしてしまうという話。先日、Windows10だか9をインストールしたが、自分のパソコンがタッチパネル方式にならない、故障したというジョークだかマジだか分からない話がちまたに広まったけれど、感覚的にはそれに近い。

記事そのものは体験談やインタビューからのまとめで、統計学的な裏付けはないけれど、アメリカでも同様の現象は数年前から多数伝えられ、またYouTube上でも多数報告事例として映像が挙げられている。特にタブレット型端末でよく見受けられる。テレビのタッチパネル誤認とか、ね。この他にも同記事では、タッチパネルネイティブ世代、略してタチパネ世代におけるコンテンツの認識や考え方の方向性が描かれており、非常に興味深い内容となっている。この話が汎用性のある、よくある事例なのか、まったくの得意事例でしかないのか、現在は少数派かもしれないけれど今後間違いなく増えるのかについては、注意深く見守りつつ、検証を重ねる必要があるのだけど(もっとも「貴方の家のお子さまが、テレビをタッチパネルと誤認識して突くようなことをした経験はありますか」という質問を、普通の調査で行うか否かは疑問。公的機関あたりがやってくれると嬉しいのだけど)。

まぁ、ぶっちゃけるとテレビがなかなか実現できない映像コンテンツにおける双方向性、ランダムアクセス性、さらには検索による選択性を、YouTubeなどの動画共有サイトがあっさりと体現化した......と考える事もできる。そして柔軟性の高い子供が対象となれば、このような行動様式に至るのも不思議では無い。大人は普通のテレビを知った上で動画共有サイトを見ているから、その違いが分かる。でも子供は物心ついた時から動画共有サイトを認識し、むしろそれをメインとしている。ならばテレビを誤認しても仕方がない。前提となる常識「テレビは一方向性で入力ができない、ランダムアクセスも不可能」ってのがないのだから。


今件の話が挙がったあと、タチパネ世代の挙動に関する話が多数寄せられている。これもいわゆるジェネレーションギャップの一つに違いない。画面上のアイコンにマウスを当ててくださいとの指示に、ディスプレイ上にマウスを置いて動かしたなんて話は少し前までは笑い話でしかなかったのだけど、今となってはそうも言ってられない。

昔は子供への注意行動として、スイッチを見たら押したくなる、今は画面を見たら押したくなる。反応が無いと力強く押しまくるから、ピキャッとなってしまうかもしれない。その辺り、子供のいる世帯では気を付けねばならないだろうね。

そのうちタッチパネル講習なんてのも子供向けにできるかもしれないな、いやマジで。

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このページは、不破雷蔵が2015年10月 9日 07:26に書いた記事です。

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