「世界の半分をやろう」との魔王の誘惑に負けてみるのも一つの手?

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一番有名なのは初代ドラゴンクエストでの竜王のセリフ「もしわしの仲間(味方)になれば、世界の半分をお前にやろう」。ラスボスとの対峙の場で、命乞いとも勧誘ともとれるような、プレイヤー(勇者)に対する甘言。究極の選択とも、悪魔のささやきとも、最強の誘惑とも言われている。まぁ、このセリフが実装されているゲームのほぼすべてにおいて、この問いかけに応じてしまうと色々な意味でアウトになるのがオチ(原版ではバッドエンド。オケラな状態の復活の呪文が教えられる。リメイク版では夢オチ扱いとなる)。

しかしながら、状況によりけりではあるのだけど、この「最強の敵との対峙の場で、その敵が『資産の半分をやる(から仲間になれ)』」っていうのは、結構面白い状況かもしれない。指摘のような発想もありかも。世界の半分があれば、ボスへの対峙もこれまで以上に楽になる、かも。


ただ、往々にして、そして上記で例に挙げた竜王のセリフにもある通り、実際にはボス的存在の手下になり、その上で領土の半分の管理権を与えられたに過ぎないと考えられる。要はこれまで100%直轄地扱いだった世界において、その半分ぐらいを属領として提供するけど、ボスが間接統治しているのには違いない、そしてボスそのものは最強に近い部下を得る事になる。非常にリアルな話でアレではあるんだけど、株式の過半数を握った上で子会社化するのと同じ。

つまり......その物語における世界の危機やら勇者が活躍するような数々のイベントは、ボスが最強の部下をリクルートするための求人活動に過ぎなかったわけだ(待て)。

そう考えると、色々と醒めてしまったりもする。まぁ、ボス的存在のセリフが「よくぞここまで来たな、だが俺様はもっと強いのでお前は倒されるのが運命。それがイヤなら一つ選択肢をやろう」的なものでなく、「お前に勝てそうにない、でも滅ぼされたくない。世界の半分をやるから助けてくれ」ってのならその場で叩き切ればオシマイなんだけど。大抵のゲームや物語では前者なんだよね。前者を装った、実体としては後者ってのもあるんだろうけど。

やはり求人活動における、最終面談なのかなあ、「世界の半分をお前にやろう」ってのは。

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このページは、不破雷蔵が2015年9月16日 08:02に書いた記事です。

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