JR東の相次ぐ不審火と、JRの電力需給問題と

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東京都内のJR施設で8月以降相次いだ不審火で、品川区の品川変電所敷地内のケーブル付近に火を付けてJR東日本の業務を妨害したとして、威力業務妨害容疑で逮捕された自称ミュージシャン、野田伊佐也(いざや)容疑者(42)=武蔵野市吉祥寺東町=が、同変電所以外の複数の不審火について関与を認め、「大量に電力を消費するJRが許せなかった」と供述していることが16日、捜査関係者への取材で分かった。これまで事件性が低いとみられていた立川市内の不審火も含まれ、被害件数は拡大する見通しだ。

JR東日本の公開資料「2015年度新卒採用|社員を知る」(「JR東日本 エネルギー管理センター」で検索)によると、JR東日本では川崎火力発電所(総出力約74万kW)と信濃川発電所(総出力約45万kW)(最大)の2発電所の電力で、必要分の約6割を自家発電でまかなっています。2011年の震災の後における計画停電時には、路線の一部の踏切が家庭用の送電と同系列なので、計画停電に対応できず、手動かバッテリー設置による対応を必要とするとの記録もあります。


鉄道運用はインフラとして、多くの人々の生活の維持に欠かせないからこそ電力を使うのであり、かつその少なからずを自前で発電する努力もしています。

一部報道ではその行動の発端となった考え方も伝えられていますが、どのような思想を持ち行動に及んだのかはともかく、テロ的破壊活動が許されるはずも無く、全容解明のための捜査と、各方面には必要な対応を厳に望みます。


ということでここしばらくの間世間を騒がせていた、東京近辺のJR線に対する相次ぐ放火事件について、ようやく容疑者が確保されたという話。各種情報を総合するに、意識の高いミュージシャンが反原発周りの発想と合わせ、目の前で電力を大量消費していそうな対象に矛先を向けて、表現活動をしていた雰囲気はある。自己主張願望が強いようで、インスタグラムの内容からも、それが言葉通り「痛いほど」良くわかる。

で、これなんだけど、確かにJRは東に限らず少なからずの電力を使っていることに違いは無いのだけど、それは社会生活を支えるのに必要だからにほかならず、さらにその上で、出来うる限り自前で電力を確保する努力もしている。JR東だけで二つの自前の発電所を所有し、利用する電力の6割ほどを創っている。送電システムなども合わせて考えるとコストが馬鹿にならないので、さすがに細かい部分(例えば踏切など)までは行きわたらず、100%全部ってわけではないけれど。


と、改めて調べたところ、JR東の自家発電の話って、集約された情報があまり無く、結構あちこちに分散していた次第。「約6割」って数字も、最初の記事のコメントにて言及した通り、新入社員向けの広報資料でようやく見つけた位。まぁ、アニュアルレポートを隅から隅まで見通せば、あるいは確認できるのかもしれないけれど。

ともあれ、イメージだけで物事を判断すると、色々な意味で誤った選択をしてしまうという、よい例なんだろうな。今件は元々の土台となる部分がアレという話もあるけれど、電力周りの問題における過激的分子の犯行ととらえることもできるし、今後問題視されていくに違いない。

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このページは、不破雷蔵が2015年9月17日 07:22に書いた記事です。

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